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Peregrina II    
  Gedichte von Eduard Mörike für eine Singstimme und Klavier
ペレグリーナ II  
     メーリケ歌曲集

詩: メーリケ (Eduard Friedrich Mörike,1804-1875) ドイツ
    Gedichte  Peregrina (Aus: Maler Nolten) IV

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Warum,Geliebte,denk ich dein
Auf einmal nun mit tausend Tränen,
Und kann gar nicht zufrieden sein,
Und will die Brust in alle Weite dehnen?
Ach,gestern in den hellen Kindersaal,
Beim Flimmer zierlich aufgesteckter Kerzen,
Wo ich mein selbst vergaß in Lärm und Scherzen,
Tratst du,o Bildnis mitleid-schöner Qual;
Es war dein Geist,er setzte sich ans Mahl,
Fremd saßen wir mit stumm verhaltnen Schmerzen;
Zuletzt brach ich in lautes Schluchzen aus,
Und Hand in Hand verließen wir das Haus.

愛する人よ、なぜわたしは今急に
溢れる涙と共にお前を思うのか
そしてそれだけでは足りずに
この想いをあらん限り膨らませようとするのか
ああ、昨日明るい子供部屋で
綺麗に飾り並べた蝋燭の煌きの下
我を忘れ浮かれ騒いでいるところに
おまえは現れた、おお、麗しい哀れみと苦悩の姿が
食卓についたそれはおまえの霊だった
わたしたちは苦痛を抑え無言でよそよそしく座っていた
ついにわたしは声をあげて泣き始め
ふたりは手を取りあって家を出た

メーリケの5篇の「ペレグリーナ」では4番目のものですが、そのうち2篇に作曲したヴォルフの歌曲のタイトルは2になっています。この曲もフィッシャー=ディースカウの二種(ムーアとバレンボイム)が素晴らしいです。女声ではファスベンダー(デッカ)。
( 2003.12.3 甲斐貴也 )

【ペレグリーナ詩群〜W】
 Vで別離を言い渡しながら詩人はペレグリーナへの思いを断ちがたいようです。はっきりと言及はされていませんが後半はおそらく夢の情景でしょう。この詩は初稿で「アグネスの追想」と題されていましたが、『画家ノルテン』では詩全体が省かれ、詩集に収められた最終版で復活させられています。『画家ノルテン』でのVの後半の夢の情景を最終版では削ったためかもしれませんが効果的と思います。
シェック:「ペレグリーナT」作品15の6【ペレグリーナ詩群〜X】へ続く)

( 2004.12.02 甲斐貴也 )


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