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Karjalan osa   JS108  
 
カレリアの運命  
    

詩: ヌルミネン (Aleksi Nurminen,-) フィンランド
      

曲: シベリウス (Jan Sibelius,1865-1957) フィンランド   歌詞言語: フィンランド語


Karjalan miesi! Kutsun oot kuullut:
Nousta on aikasi äärestä työn.
Yhteisin voimin,hetki onpi tullut,
Poistamaan maasta turmion yön.
Läntinen veljesi joukkohon uottaa,
Vainoa vastahan taistohon käy.
Vieläkö viivyt? Turhaanko luottaa,
Vaarako vielä ei silmääsi näy?

Etkö sä muista,Karjalan miesi,
Rutto jos rannoillas raivota saa,
Lähinnä itää on kotiliesi,
Täällä on ensiksi tuhkana maa.
Siksi sun aika on säiläsi nostaa
Yhtehen yhtyä toimintaan.
Näyttää kuin Karjala konnille kostaa,
Juuria jäytää ken syntymämaan.

Karjalan miesi! Aika on tullut
Koota jo joukkosi lippusi luo.
Vieläkö viivyt,kutsun oot kuullut:
Petturit maallesi turmion tuo!
Kansaasi uhkaa kalman kalpa,
Jos sinä hetkesi laiminlyöt.
Massa kun mataa joukkio halpa,
Idän ilkeän sillä on työt.

Karjalan arpa tuiskussa on seistä,
Silloin kun vaarassa on tämä maa.
Vaara jos vaatii,välkytä peistä:
Uhata ei maata petturit saa!
Karjalan miehet! Vapaus vaatii,
Velvoittaa veljien kärsimä yö.
Sankarihaamut haudoista haastaa:
Sortuuko tuhkaksi meidän työ?

Taatoiltas kalliin perinnön oot saanut
Veljesi henkensä uhrannut on.
Vuorosi tullut,rauha on laannut,
Kätesi nyt oisko ponneton?
Turvaksi nouse uljahin miehin,
Karjalan liedet ei kylmetä saa.
Suureksi Suomi,ehjäksi kansa,
Turmion tuottajat rajan taa.

カレリア人よ!この叫びを聞け
立ち上がる時だ お前の仕事をやめて
共に努力する 時はやってきたのだ
追い払え この国から邪悪なる夜を
西側の兄弟がわれらと共にある
迫害に打ち勝つ戦いに参加しよう
まだぐずぐずするのか?気にならないのか
お前の目の前にある危機が?

覚えていないのか カレリア人よ
悪疫がこの岸辺を襲うのを許すならば
大部分の東部が炎の地となる
そこが最初に燃え尽きる地となろう
だから今こそ剣を振りかざす時なのだ
われら皆 活動に参加するのだ
見せてやる カレリアが悪人どもに復讐するのを
根を齧る者共に この祖国の根を

カレリアの男よ!時は来た
軍隊を招集せよ この旗のもとに
まだぐずぐずしているのか 君を呼ぶ声は聞こえるはずだ
裏切り者はこの地に破滅をもたらそうとしている!
君たち民は死の刃に脅かされているのだ
もし君がこの瞬間を無為に過ごすならば
群衆が忍び寄る 腐った下賤な悪漢どもの後から
東の地に悪をなそうと

カレリアの運命は吹雪の中にある
危機がこの国に迫るときには
もしもその危難が求めるなら 君の槍を上げよ
脅威をこの国に裏切り者がもたらすことはない!
カレリアの男たちよ!自由が求めているのだ
求めているのだ 兄弟が この夜を耐えることを
英雄たちの精霊が墓より呼び寄せられている
われらの仕事を灰にするのか?

父祖より君らは貴重な遺産を受け継いだ
君らの兄弟はその命を捧げた
君らの番が来たのだ 平和が脅かされている
君らの手には力がないのか?
雄々しき男たちよ 防衛に立ち上がれ
カレリアの野は今や冷え切ろうとしている
偉大なるスオミよ すべての国民は
侵略者に抵抗せよ 国境の背後で


1930年の作品。西側の兄弟とか東部の脅威とか歌詞にありますのでお分かりのように、社会主義国化したロシアを意識した反共運動に関わった歌です。1929年頃から次第に盛り上がりを見せていたこの運動はその発祥の地からラプア運動と呼ばれました。当時内戦の敗北で一時は衰えた共産主義が再びフィンランドでも力を盛り返して来ておりましたので、それに対抗する運動としてそれなりの支持を集めておりました。シベリウスもそんな支持拡大の時期に委嘱されてこの歌を書きましたが、そのわずか数年後には過激化してファシズムとのつながりも出て来たこの運動は非合法化され、活動家も逮捕されて壊滅することとなります。
そんないきさつの歌ということもあり、今ではまず耳にすることは難しいでしょうか。BISレーベルのシベリウスエディション、「コーラス」の巻ではオリジナルのピアノ伴奏つきの男声合唱で歌われていますがもう入手は困難かも。著作権が不明ですのでご紹介は憚られますがYoutubeで男声ソロによる版(かなり古そうな録音)が聴けますが、まるでロシアの古い革命歌のようなキッチュさがたまりません。とてもシベリウスの作品とは信じられないような音楽ですが、こういう歴史もあったのだということでご紹介します。

( 2015.11.06 藤井宏行 )


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