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Zum neuen Jahr -Kirchengesang    
  Gedichte von Eduard Mörike für eine Singstimme und Klavier
新年に〜聖歌  
     メーリケ歌曲集

詩: メーリケ (Eduard Friedrich Mörike,1804-1875) ドイツ
    Gedichte  Zum neuen Jahr (Mit einen Taschenkalender)

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Wie heimlicher Weise
Ein Engelein leise
Mit rosigen Füßen
Die Erde betritt,
So nahte der Morgen.
Jauchzt ihm,ihr Frommen,
Ein heilig Willkommen,
Ein heilig Willkommen!
Herz,jauchze du mit!

In Ihm sei’s begonnen,
Der Monde und Sonnen
An blauen Gezelten
Des Himmels bewegt.
Du,Vater,du rate!
Lenke du und wende!
Herr,dir in die Hände
Sei Anfang und Ende,
Sei alles gelegt!

しずかにそっと
ひとりの天使が
ばら色の足で
地上に足を踏みいれる
そうしてその朝がやってくる
敬虔に、ともに喜ぼう
聖なる日を迎えることを!
心よ、お前もともに喜ぼう
聖なる日を迎えることを!

そのはじまりのうちに
月と太陽の
青い空に孤を描く
天の運行の
あなたよ、父よ、教えて下さい
そしてよりよく導いてください!
主よ、あなたの手の中に
初めと終わりが、
全てのものがありますことを!


ヴォルフのメーリケの詩による歌曲集からの1曲です。メーリケ歌曲集の中では比較的地味な曲で録音は少なく、フィッシャー=ディースカウも1回しか録音していませんし、ほとんどの作品を収録しているSP時代のヴォルフ協会盤や戦時中のリート全集録音にも含まれていません。わたしは1996年の白井光子さんのメーリケ歌曲演奏会でこの曲が取り上げられた時、その予習のために、フィッシャー=ディースカウの録音を何度も聴いたのですが、今ひとつその魅力がわかりませんでした。沸き立つ喜びを軽やかなリズムに託した氏の歌唱に比して、白井さんはより落ち着いたテンポで感動を込めて歌い、大変美しい歌になっていました。その後発売された彼女のメーリケ歌曲集のCDにこの曲が入っていないのは残念です。

数種聴いた演奏のうち、白井さんに近いテンポをとっているのはファスベンダー(英Decca)と全集のロジャース(英hyperion)ですが、どちらかというとストレートに歌っているロジャースに好感を持ちました。ファスベンダーは珍しいこの作品を、メーリケ歌曲ばかりを収めたCDの冒頭に置いていますが、ベーア(EMI廃盤)は逆に一番最後にしています。彼のメーリケ歌曲集のアルバムは、同じ傾向のテーマを扱った作品をセットにして並べるという面白い企画で、この作品は「クリスマスローズT&U」とともに最後に収められているというわけです。ベーアの歌唱もその全盛期の美声を生かしたストレートなものですが、それがこの作品ではプラスに作用しており楽しく聞くことが出来ます。現在手に入りにくいCDですが再発売を期待したいです。他に名歌手エディット・マティスも録音していますが(日Denon)やや高音が苦しくて力みがはいっているように感じました。

( 2002.1.1 甲斐貴也 )


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