Kuutamolla JS114 |
月光 |
Rannalla yksin istun,mieli on kaihoinen. Etäistä maata tuolla yhäti silmäilen. Siellähän asut armas, Kultani kallehin. Silta jos sinne veisi,luoksesi rientäisin. Kirkasna kuuhut loistaa, Pilvistä pilkistää, Laineilla loiskii,tanssii,vedessa väräjää. Valosta luotu on silta,siintävä hohtoinen, Jospa mun viedä voisit Rannalle toiveitten! Vaan ei ne Kuuttaren sillat Kannata kulkijaa, Niihin ken luottaa,astuu, Aaltohon haudan saa. |
私は岸辺に一人で座っていました 心わびしく 彼方の土地を見つめながら そこに住んでいるのです 愛する人が 私の一番大事な恋人が そこまで橋が架かってたなら あなたのもとに駆けて行けたなら 明るく月は輝き 雲間に顔を覗かせる 波は跳ね 踊り 水の中で震える 光は橋を架け 青くきらめく あなたが私を連れて行ってくれるなら 憧れの岸辺へと! だけどこの月の女神の橋は 旅人を渡らせてはくれません 誰でも渡ろうとした者は 波の墓へと落ちて行くのでしょう |
ゆったりと歌われる男声合唱のロマンティックな響きが美しい傑作のアカペラ曲で、しばしば歌われます。シベリウスの友人の写真家イント・インハから頼まれて作曲されたものだそうです。当時インハはアイノ・ クローン(ペンネーム「アイノ・スオニオ」)という女性作家に好意を寄せていたので、 この曲のテキストは彼女のものが使われました。作曲は1898年ですが、この翌翌年には彼女は哲学者でのちに政治家ともなるオスカル・カラスと結婚してカラス姓となります。
歌詞は幻想的ですが、どこか死んだ恋人を偲んでいるような内容にも思えてしんみりしてしまいます。なかなか深い含意がありそうな内容です。
( 2015.09.27 藤井宏行 )