Pastorale |
牧歌 |
Un jour de printemps, Tout le long d'un verger Colin va chantant, Pour ses maux soulager: “Ma bergère,ma bergère, tra la la la la la la la la Ma bergère,ma bergère, tra la la la la la la la la Laisse-moi,laisse-moi prendre un tendre baiser Oh! laisse-moi,ma bergère prendre un tendre baiser. Ma bergère laisse-moi prendre un tendre baiser!” La belle,à l'instant Répond à son berger: “Tu veux,en chantant Un baiser dérober?... Non Colin,non Colin, Tra la la la la la la la la Non Colin,non Colin, Tra la la la la la la la la Tu voudrais,en chantant prendre un tendre baiser Non,non,non,non Colin,ne le prends pas, Je vais te le donner... Non,non,non Colin,ne le prends pas, Je vais te le donner.” |
春の日に 果物畑の脇を抜けて コランが歌いながら歩いていく 自分の悩みを癒そうと 「羊飼いの娘さん。羊飼いの娘さん。 トララララララララ 羊飼いの娘さん。羊飼いの娘さん。 トララララララララ おくれよ おくれよ 甘いキスをぼくに おお! おくれよ 娘さん 甘いキスをぼくに 娘さん おくれよ 甘いキスをぼくに」 可愛い娘は間髪入れずに 羊飼いの少年に答えていう 「あなたは、歌いながら キスを盗もうっていうの? ダメよ、コラン、ダメよ、コラン、 トララララララララ ダメよ、コラン、ダメよ、コラン、 トララララララララ 歌いながらキスを盗みたいだなんて ダメダメダメダメよ コラン、盗もうなんて 私からしてあげるんだから ダメダメダメよ コラン、盗もうなんて 私からしてあげるんだから」 |
田舎の素朴な恋の歌です。でも旋律はマイナーで、なんだか演歌でも聴いているような味わい、初めて聴いた時はこんな可愛らしい若者のロマンスではなくて、失恋か何かの恨み節かと思いました。この曲は、モラーヌの端正なバリトンでも味があって良いのですが(Erato)、もう少し泥臭い感じがあった方が持ち味が生きるのではないかと思います。Virginから出ているソプラノのイェーカーによる、ビゼー・アーン歌曲集での歌唱が泥臭さと歌の美しさが共に生きていて良いのではないでしょうか。「キスさせて」のところのリフレイン、「レッセ・モワ、レッセ・モワ」での盛上がりがこの曲の命です。
( 1999.06.13 藤井宏行 )