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Begegnung    
  Gedichte von Eduard Mörike für eine Singstimme und Klavier
出会い  
     メーリケ歌曲集

詩: メーリケ (Eduard Friedrich Mörike,1804-1875) ドイツ
    Gedichte  Begegnung

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Was doch heut nacht ein Sturm gewesen,
Bis erst der Morgen sich geregt!
Wie hat der ungebetne Besen
Kamin und Gassen ausgefegt!

Da kommt ein Mädchen schon die Straßen,
Das halb verschüchtert um sich sieht;
Wie Rosen,die der Wind zerblasen,
So unstet ihr Gesichtchen glüht.

Ein schöner Bursch tritt ihr entgegen,
Er will ihr voll Entzücken nahn:
Wie sehn sich freudig und verlegen
Die ungewohnten Schelme an!

Er scheint zu fiden das Liebchen
Die Zöpfe schon zurecht gemacht,
Die heute Nacht im offnen Stübchen
Ein Sturm in Unordnung gebracht.

Der Bursche träumt noch von den Küss,
Die ihm das süße Kind getauscht,
Er steht,von Anmut hingerissen,
Derweil sie um die Ecke rauscht.

それにしても昨夜の嵐はひどく
夜明け近くまで騒ぎまわっていた!
招かれざる箒が
煙突や路地を大掃除というわけだ!

その街路にもう娘がひとり現れて
こわごわとあたりを見回している
風に吹きさらされた薔薇のように
彼女の顔つきは落ち着かず赤らんでいる

ひとりの美しい若者が彼女に歩みより
うっとりとした様子で彼女に近づこうとする
なんと嬉しそうに、そして気まずそうにしていることか
二人の不慣れな悪戯っ子たちは

彼は恋人に尋ねている様子
昨夜入り口の開かれていた小部屋で
嵐が乱していった髪を
もうお下げに直したのだねと

若者はまだその口づけを夢見ている
可愛いその子と交わしたそれを
彼が甘い思いに浸り立ち尽くす間に
彼女は街角から走り去った

 「出会い」とはめぐり合いではなく、昨夜逢ったばかりの恋人たちが街角で顔を合わせたわけですが、そのニュアンスを一語で出す日本語が見つかりませんでした。ヴォルフの作曲はピアノの分散和音が終始せわしなく動いて風を表現し、嵐は過ぎたばかりでまだ風は強いようです。そうなると当然連想されるのは「風の歌」ですが、こうして続けて訳してみると、「少年と蜜蜂」「風の歌」とこの作品には、ゆるやかな連関があるようにも思えます。
録音は比較的多い方です。ゲルハルト、シュヴァルツコップ、マティス、マーガレット・プライス、ツィーザク、ボニー、ベーア、フィッシャー=ディースカウなど。中ではシュヴァルツコップのパーソンズとの録音が、緩やかなテンポにより恋の嵐の余韻を夢見るような雰囲気を良く出しているように思いました。

( 2004.3.10 甲斐貴也 )


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