木の洞 |
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足を地に 巌(いは)が根 また踏むも尊くて 木の洞(うろ)に 霞む日を ながむる わが眼(まなこ) 焔よ 日の色のあかき黝(ねずみ) こは何人(なんびと)ぞや 故なく泣ける我身は |
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三木露風の詩につけた本格的な歌曲としては一番最後のものとなるでしょうか。堂々たる導入に、「焔よ」のところでテンポを上げて激しく爆発する中間部、再びゆったりと内省して静かに終わる終結部と凝りに凝った造りの歌曲となっています。
( 2015.09.23 藤井宏行 )