わが世の果ての-さすらひ 2 |
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夕(ゆふべ)となれば我れ思ふ わが世の果ての海原の 浪の穂に泣く我声を |
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1913年 「樹立」と同じ日の作曲なのだそうです。舟歌のようなゆったりとした6/8拍子の歌。奇妙な転調がこの曲でも顕著で不思議な味わいです。「さすらい」というサブタイトルは1910年作曲の「風ぞゆく」でも使われておりましたがあちらは「3」でこれが「2」です。しかしながら耕筰の歌曲の中には「1」が見当たりません。いずれも露風の詩集「廃園」から取られていますので、この詩集を見れば「1」があるのかも知れませんが未確認です。
( 2015.09.21 藤井宏行 )