風ぞゆく-さすらひ 3 |
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風ひとり 歔欷(さぐ)りつゝ 遠国の 果てをゆく さすらひや その果ての 海原に 蒼白み かゞやける 寒き星 そを恋ひて ああ独り ああ独り 風ぞ行く- |
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1910年の作曲 シューマンの歌曲といっても言い過ぎではないほどドイツリートしています。最後近くの「ああ独り」の部分だけ、のちの山田作品にもよく見られる日本情緒のメロディ進行の片鱗が垣間見えてちょっと面白いですが。もっともまたすぐにドイツリートに戻ってしまいますが。
耕筰の音楽のスタート点が見えるということで、非常に重要な作品かも知れません。
( 2015.09.17 藤井宏行 )