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Serenad   JS167  
 
セレナード  
    

詩: ルーネベリ (Johan Ludvig Runeberg,1804-1877) フィンランド
    Samlade arbeten I  Serenad

曲: シベリウス (Jan Sibelius,1865-1957) フィンランド   歌詞言語: スウェーデン語


Ren släckt är lampan i min flickas kammar,
Ett blekrött månsken blott på rutan flammar
Och genom slöjan,fäst för den,såg jag
Den skönes bild ej mer.

Snart skall hon bäddens trygga fristad hinna;
Se'n,blyga Cynthia,bliv min spejarinna,
Och yppa vänligt hvad du skåda fått
För mig och natten blott.

Om med en blick,där himlen strålar åter,
Hon sammanknyter händerna och gråter
Och talar ord,som blott en ängel hör,
Sin aftonbön hon gör.

Men om den höljda barmen rörs och bävar,
Ett leende på rosenläppen sväfvar,
Och kindens låga sakta tänder sig,
Då drömmer hon om mig.

灯りは消された ぼくの愛する乙女の部屋の
淡く赤い月の光が窓辺で燃えている
だけどその前にかかったヴェールを通してぼくが見ることは
あの美しい姿を それはもうできないのだ

すぐにあの子はベッドの安全な避難所へと着くだろう
そしたら はにかみ屋のシンシアよ ぼくの代わりの見張りになっておくれ
そして親切に教えておくれ お前が見ることのできたものを
ぼくと そして夜だけに

もしもまなざしが天の光を映し出し
手と手を合わせ 泣いていたら
そしてつぶやいていたら 天使だけに聞こえる言葉を
夜のお祈りをあの子はしてるんだ

けれど 秘めた胸が揺れて震えていたなら
ほほえみがそのバラのくちびるに浮かんでいたなら
そして頬の炎がゆっくりと燃えていたなら
そしたら夢見てるんだ あの子はぼくのことを


シベリウス最初期の歌曲のひとつです。歌詞はスウェーデン語。まるでフォーレあたりのフランス歌曲のようにロマンティックで、ゆらぐ和音がまるでシベリウスらしさを感じさせませんが非常に耳にやさしい佳曲です。屈託のない愛の歌ですね。第2節で呼びかけているシンシアというのは月の女神、窓から覗き込んでいる月明りに会いたい思いを託しているのです。BISレーベルにあるフォン・オッターの歌声がとても素敵です。

( 2015.09.10 藤井宏行 )


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