Fljuger Peterburg |
風見鶏 ペテルブルク |
Tikho. I budet vse tishe. Flag bespoleznyj opushchen. Tol’ko fljugarka na kryshe Sladko poet o grjadushchem. Vetrom v polnebe raskinut, Dymom i solntsem vzvolnovan, Bednyj petukh ocharovan, V sinjuju glub’ oprokinut. Smoly pakhuchie zharki, Dali izvechno tumanny... Sladki mne pesni fljugarki: Poj,petushok olovjannyj! |
静かに そしてすべてが静かになる 旗は力なく垂れている 風見鶏だけが 屋根の上で 優しく歌っている 未来のことを 風は空の半分で吹き渡り 煙と陽光とを掻き回している 哀れな魔法のかかった雄鶏は 青い空の深みの中で回転している 松脂の匂いが漂ってくる あたりは永遠の霧に閉ざされる 私の甘い歌を 風見鶏よ 歌え ブリキの雄鶏よ! |
スヴィリードフの傑作歌曲集「ペテルブルク」、第1曲は堂々としたロシアン・ロマンスです。ゆったりと叩かれるピアノの連打に滔々と歌いだされる声。果てしない憧れを風見鶏に託して歌うたいへん心地よい曲です。ブロークの原詩は1905年のもの。4連からなっていましたが第3連は歌では省略されています。
ロシア本国ではどうだか分かりませんが、西側で容易に聴けそうなのはバリトンのドミートリー・ホロストフスキーが歌っているもの(DELOS)くらいでしょうか。素晴らしい演奏ですし、スヴィリードフの代表作と言っても過言ではないでしょう。
( 2015.09.06 藤井宏行 )