Siltavahti JS170a |
橋の番人 |
Laulumies,sydänten sillan oot vahti, kunniapaikalla sä vartioit! Laulu on voimasi voittoisa mahti, tenhonsa voimalla hallita voit! Laulumies,lippusi nostettu on, sillalla laulusi raikukohon. Laulumies,lippusi nostettu on, sillalla laulua raikukoon, laulusi sillalla raikukoon! Kallioarkku vain aikansa kestää, ruostuvi rauta ja maatuvi puu; kaatuvi pylväät,sit’ emme voi estää, paatiset palkitkin raunioituu. Vaan silta syömmistä sydämihin, kestävi aikoihin ikuisiin. Vaan silta syömmistä sydämihin, kestävi aikoihin ikuisiin, kestävi ikuisiin aikoihin. |
歌い手よ お前は心の橋の番人 名誉ある場所を守っている! 歌はお前の勝利の力 その力をお前は使いこなしている! 歌い手よ お前の旗が高く掲げられている 橋の上にその歌声を高らかに響かせよ 歌い手よ お前の旗が高く掲げられている 橋の上にその歌声を高らかに響かせよ 歌を響かせよ 橋の上に! 岩でさえも崩れるのだ いつかは 鉄は錆び 木は朽ちて 柱は砕ける それは止められない 固い石でさえ擦り減るのだ だが 心と心をつなぐ架け橋だけは 永遠に不滅なのだ だが 心と心をつなぐ架け橋だけは 永遠に不滅なのだ 永遠に不滅なのだ |
詞のヴァイノ・ソラ(Wäinö Sola 1883-1961)は世界的に活躍したテノール歌手で、「フィンランディア」に歌詞がつけられるきっかけを作った人のひとりとしても知られています(彼も「フィンランディア」に歌詞をつけているのですが、良く歌われる歌詞は彼のものではありません)。そんな彼が自分の書いた詞に曲をつけてくれ、とシベリウスに頼み、シベリウスのほとんどキャリアの最後になる1928年に書かれたアカペラの男声合唱曲がこれです。透徹しきった晩年のシベリウスの筆致が、ロシア民謡を思わせるようなマイナーのメロディが転調して次第に明るく盛り上がっていくところなどは感動的なのですが、これもまた耳にできる機会は極めて少ない感じです。作詞者と同じテノールの独唱で歌われる版もあってこちらの方が取り上げられる頻度は多少は高いでしょうか。
( 2015.09.01 藤井宏行 )