Iz kraja v kraj Op.10 |
土地から土地へと |
Iz kraja v kraj,iz grada v grad Sud’ba,kak vikhr’,ljudej metet, I rad li ty ili ne rad, Chto nuzhdy ej?.. Vpered,vpered! Znakomyj zvuk nam vetr prines: Ljubvi poslednee prosti... Za nami mnogo,mnogo slez, Tuman,bezvestnost’ vperedi!.. «O,ogljanisja,o,postoj, Kuda bezhat’,zachem bezhat’?.. Ljubov’ ostalas’ za toboj, Gde zh v mire luchshego syskat’? Ljubov’ ostalas’ za toboj, V slezakh,s otchajan’em v grudi... O,szhal’sja nad svoej toskoj, Svoe blazhenstvo poshchadi! Blazhenstvo stol’kikh,stol’kikh dnej Sebe na pamjat’ privedi... Vse miloe dushe tvoej Ty pokidaesh’ na puti!...» Ne vremja vyklikat’ tenej: I tak uzh etot mrachen chas. Usopshikh obraz tem strashnej, Chem v zhizni byl milej dlja nas. Iz kraja v kraj,iz grada v grad Moguchij vikhr’ ljudej metet, I rad li ty ili ne rad, Ne sprosit on... Vpered,vpered! |
土地から土地へと 街から街へと 運命は つむじ風のように人々を吹き散らす そしてそのことをお前が嬉しかろうとなかろうと 何の問題があるんだ?..進め 進め! 慣れ親しんだ音を われらのもとに風は運んで来た 愛の最後の別れを... われらの後ろにはたくさんの たくさんの涙が 霧が 知り得ぬものが行く手には!.. 「おお 振り返れ おお 止まれ どこへ急ぐのだ なぜ急ぐのだ?.. 愛は置いて行かれている お前の後に この世のどこに これ以上のところを見つけられる? 愛は置いて行かれている お前の後に 涙にくれて 胸には絶望を抱いて... おお その苦しみに同情を その至福に慈しみを! そのとても とても多くの日々の至福を 記憶にとどめるのだ... お前の魂にとって甘美なすべてのものを お前は途中に置いて行っているのだ!... 」 今は亡霊を呼び出す時ではない もうこんなに暗くなってしまっている 死んだものの姿は一層恐ろしいのだ 生きていた時に愛しかったものほど 土地から土地へと 街から街へと 運命は つむじ風のように人々を吹き散らす そしてそのことをお前が嬉しかろうとなかろうと 尋ねたりはするな..進め 進め! |
アカペラの二重合唱による作品 1898年頃の作曲だといいます。「トロイカ」とか「一週間」を思わせる翳りのあるメロディでありながら力強いロシア民謡風の音楽は大変に印象的。詩人がこれを書いたのは1834年頃で、運命に翻弄される人間というテーマもロシア民謡風のメロディに非常にしっくりきます。
2002年に録音された、モスクワ室内合唱団の演奏(DG)が私の知る限り唯一の演奏ですがなかなかの聴きごたえ。ドイツグラモフォンからロシアのアカペラ合唱曲集がリリースされたという意外性も含めて印象に残る音盤でした。
( 2015.08.01 藤井宏行 )