Sydämeni laulu Op.18-6 6 laulua |
わたしの心の歌 6つの歌 |
Tuonen lehto,öinen lehto! Siell' on hieno hietakehto, sinnepä lapseni saatan. Siell' on lapsen lysti olla, Tuonen herran vainiolla kaitsia Tuonelan karjaa. Siell' on lapsen lysti olla, illan tullen tuuditella helmassa Tuonelan immen. Onpa kullan lysti olla, kultakehdoss' kellahdella, kuullella kehräjälintuu. Tuonen viita,rauhan viita! Kaukana on vaino,riita, kaukana kavala maailma. |
トゥオニの森 夜の森! そこには優しい砂の揺りかごがある そこにわたしは わが子を送りましょう そこではわが子は悩みなどなく トゥオニの主人の牧場で 番をするのでしょう トゥオネラの家畜の そこではわが子は悩みなどなく 夕べには 揺られることでしょう トゥオネラの乙女に抱かれて 大切なわが子は悩みなどなく 黄金の揺りかごに揺られて ヨタカの歌声を聞きながら トゥオニの木立 安らぎの木立! 遠く離れている 迫害や争いから 遠く離れている この邪悪な世界から |
シベリウスの有名な交響詩に「トゥオネラの白鳥」というのがありますが、このトゥオネラ(トゥオニ)というのは黄泉の国、死者の世界です。穏やかで安らぎに満ちた美しい合唱曲ですが、ここで歌われているのは死の世界なのですね。
1898年に男声合唱のアカペラで書かれましたが、のちに混声合唱にも編曲されていて、どちらの版でも良く取り上げられます。
実はシベリウスはこの年に生まれた娘を翌1899年に亡くしており、その不思議な因縁からシベリウスの「亡き子をしのぶ歌」とも呼ばれているようです。その別世界に飛んで行きそうな不思議な雰囲気はOp.18の中でもとりわけ印象的で、この曲 1957年のシベリウスの葬儀のときにも演奏されたのだそうです。詞はキヴィの小説「七人兄弟」の中で母親が子供に歌う子守唄だとのこと。l子守歌によくある死の影がここにもあふれています。
( 2015.07.25 藤井宏行 )