Der Schalk Op.3-1 Sechs Gesänge |
いたずら者 6つの歌 |
Läuten kaum die Maienglocken, Leise durch den lauen Wind, Hebt ein Knabe froh erschrocken, Aus dem Grase sich geschwind. Schüttelt in den Blütenflocken, Seine feinen blonden Locken, Schelmisch sinnend wie ein Kind. Und nun wehen Lerchenlieder Und es schlägt die Nachtigall, Von den Bergen rauschend wieder Kommt der kühle Wasserfall. Rings im Walde bunt Gefieder, Frühling,Frühling ist es wieder Und ein Jauchzen überall. |
釣鐘草がかすかに鐘を鳴らしてる そっと暖かい風を受けて ひとりの若者が元気に飛び出してくる 草原に大急ぎで 揺らしている 花の中で 彼の綺麗なブロンドの髪を いたずらっぽい思いで 子供のように 今や聞こえてくる ヒバリの歌声が ナイチンゲールも歌っている 山からとどろきつつ再び 流れてくる 冷たい奔流が 森の周りでは 色とりどりの羽根 春が 春がまたやってきたのだ そしてあたりは喜びに満ちる |
6曲からなる歌曲集Op.3は、そのかなりの曲が春の歌ですので、これからそれを順に取り上げて行こうと思います。1曲目の詩はアイヒェンドルフ、この詩の収録されている詩集も「春と愛」ということで春づくしです。原詩は3節からなりますがフランツは初めの2節に曲をつけました。ユーモラスな雰囲気の詩ですが曲の前半は端正に訥々と、後半流麗に曲想が変わって愛らしく盛り上がるパターンを繰り返してやさしく曲を閉じます。Op.3も全曲ハンス・イェルク・マンメルのテノールに、ルートヴィヒ・ホルトマイアーのクラーヴィアの録音があります(Ars-Musici)
( 2015.04.25 藤井宏行 )