占ふと 沙羅 |
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占ふと 云ふにあらねど 梳(くしけづ)るわが黒髪の 常(いつ)になうときわけがたく なにがなし 心みだる丶 ためらふと云ふにあらねど すき櫛をくしげに捨て丶 わけもなう嘆息(ためいき)すれば あ丶まこと わが戀のさだめにも似て ひたすらに 心わびしも |
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非常に情念の濃い歌です。髪の毛を櫛で梳いて恋の行方を占う、私は平安貴族の女性がその長い黒髪を梳かしながら来ない恋人を嘆くイメージですが、定説ではこれは男性の歌だとされているようです。さりながらこれは女声でしみじみと歌われた方が味が出るように思えます。Netでたくさんの日本歌曲を紹介頂いている小川明子さんの歌がお薦めです。
( 2015.04.18 藤井宏行 )