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Finlandia   Op.26  
 
フィンランディア賛歌  
    

詩: コスケンニエミ (Veikko Antero Koskenniemi,1885-1962) フィンランド
    Latuja lumessa  Finlandia?hymni

曲: シベリウス (Jan Sibelius,1865-1957) フィンランド   歌詞言語: フィンランド語


Oi,Suomi,katso,sinun päiväs' koittaa,
Yön uhka karkoitettu on jo pois,
Ja aamun kiuru kirkkaudessa soittaa,
Kuin itse taivahan kansi sois'.
Yön vallat aamun valkeus jo voittaa,
Sun päiväs' koittaa,oi synnyinmaa.

Oi,nouse,Suomi,nosta korkealle,
Pääs' seppelöimä suurten muistojen.
Oi,nouse,Suomi,näytit maailmalle,
Sa että karkoitit orjuuden,
Ja ettet taipunut sa sorron alle,
On aamus' alkanut,synnyinmaa.

おお スオミよ 見よ お前の日がやってくる
夜の脅威はすでに追い払われて
朝のヒバリが輝かしき歌を歌っている
それは天国より響くハミングのようだ
夜の力に朝の輝きが今勝利したのだ
お前の日がやってくるのだ おお祖国よ

おお立て スオミよ 高く掲げよ
偉大なる記憶の花の冠を頂くその頭を
おお立て スオミよ 世界に示すのだ
奴隷の束縛を断ち切り
決して屈しなかったことを お前が暴虐に
お前の朝が始まる 祖国よ


シベリウスの作品中もっとも良く知られ、演奏されるのが管弦楽曲(交響詩)「フィンランディア」でしょう。祖国がロシアからの抑圧に苦しんでいた1899年に作曲され、その愛国的内容から広く愛されることとなりました。もとは劇「愛国記念劇」の付随音楽として書かれ、そのクライマックス「フィンランドの目覚め」のシーンで演奏されたものをのちに編曲し独立した交響詩としたものです。オリジナルの付随音楽のバージョン(Suomi heraa)もヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団の録音(BIS)がありますので聴き比べて見られるのも一興かと思います。聴いた感じはあまり違いはないようでしたが、若干オーケストレーションに差があるのと終結部分がちょっと冗長でした。
このフィンランディアの中間部、木管楽器にリードされて始まる讃美歌のようなメロディ、歌詞をつけて歌いたい欲求が当初からあったようで1920年代にはキリスト教の讃美歌となっています。また祖国フィンランドの言葉の歌詞をつけたものも同じこあったようで、テノール歌手ヴァイノ・ソラの書いたものはフリーメイソンの儀式のための音楽 作品113の中に繰り入れられています。
普通よく歌われるバージョンはヴェイッコ・アンテロ・コスケンニエミ(1885-1962)の詩で上でご紹介したようなものです。1940年に委嘱がなされ、1941年に合唱で初演、その後改定がなされて1948年に今の形になったのだそうです。演奏形態はアカペラの男性合唱、混成合唱、あるいは交響詩の中に合唱として織り込まれるなど色々楽しめます。
もとの曲の出自からか、非常にこちらも愛国的な歌詞です。「スオミ」というのは彼らが自分の国を呼ぶときの呼び方、ちょうどJapanに対する日本のようなものですね(語感的には「やまと」の方が近いかも)。

( 2015.04.04 藤井宏行 )


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