涙 |
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もだもだと むすぼれとけぬ 悲しみが とけて流れて 涙となりて ほろりほろりと まろびなば こうわびしうは あるまいに |
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本居長世のところで取り上げたCD「夢二の歌〜セノオ楽譜表紙絵による歌曲集」(Belta:及川音楽事務所)に伊藤大智(Ten)&御園生瞳(Pf)で収録されていた山田にしては珍しい夢二の詩につけた歌曲です。このセノオ楽譜の経営者で自らも作詞・作曲もした妹尾幸陽に委嘱されて1917年に書かれた作品。CDライナーの室田尚子さんの解説によれば妹尾からは「日本式のメロディ」で書いてくれと依頼されたのだそうです。聴いてみると見事にそれに答えた日本情緒纏綿たる作品。ただその分耕筰らしさの魅力には欠けてしまっているでしょうか。
夢二の描いた楽譜の表紙は青い洋服を着た女がひとり、たぶん柳の木と思われる緑に囲まれて佇んでいるものでした。表情は穏やかで涙を流しているように見えないのは歌詞で歌われている通りでしょうか。
( 2014.11.29 藤井宏行 )