春の宵 |
|
あんどのかげに 文かけば 身につまされて とうしんの 涙ぐみたる ともしびゆらぐ こころからには あらねども 忘れて袂ついかいて われとながるる 春の宵 春の宵 |
|
「蘭燈」で取り上げたCD「夢二の歌〜セノオ楽譜表紙絵による歌曲集」(Belta:及川音楽事務所)に同じ石田&御園生コンビで収録されていた竹久夢二(詞)・本居長世(曲)の作品です。夢二の詞は彼らしい耽美感あふれるものですが、私が驚いたのは本居のメロディ、まるでロシア歌曲のように濃密で美し過ぎるメロディ、こんな曲を本居も書いていたのだ、と認識を新たにしました。結構耳に残る良い曲です。
ネットで表紙絵を検索すると、膝に巻紙を置き、手で顔を覆って泣いている女の絵が見つかりました。
( 2014.11.29 藤井宏行 )