風雅(みやび)小唄 |
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あやに麗し美の女神 見れば思ひもます鏡 映す姿に焦れ寄る 風雅男の群れこそは ホンニうれしい風雅の集い 京の寺々花の春 奈良や龍田の宮の秋 思ふ夢殿三輪の山 上る旅路も趣味の友 ホンニ楽しい風雅の集い 青磁で丸めた茶碗でも 浮気薬の焼き加減 飽きも飽かれも千体の 仏顔さへ数寄の友 ホンニうれしい風雅の集い 白酒黒酒の昔より 薫りゆかしきみかのはら 湧きて流るゝ泉かや 風情つきせぬ酒の友 ホンニ楽しい風雅の集い |
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貴志康一の作品はドイツでも出版されていたのだそうで、そこでのこの曲のタイトルは「Kouta - japanischen Volkslied」というものだったのだそうです。日本の楽譜では風雅(みやび)小唄となっていたとのことですのでそちらの表記に従います。これも貴志の作品らしく日本情緒纏綿ではあるのですが、3拍子のリズムと、ときどきチラチラと顔を出す西洋音階がどことなく無国籍風の味わいを醸し出して不思議な歌となっております。詞は小唄としか呼びようのないほどそれっぽいのですけれども...
( 2014.11.14 藤井宏行 )