わたりどり |
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あのかげは わたりどり あのかがやきは ゆき 遠ければ 遠いほど 空は青うて 高ければ 高いほど 波立つ山よ ああ乗鞍 あのかげは わたりどり |
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この詩であれば大中恩のつけた合唱曲の方が今は有名なようですが(思い返せば私もこれを遠い昔の中学生時代に合唱祭で歌った記憶が)、この松本作品もシンプルながら捨てがたい魅力にあふれています。1948年、芸大入試に歌曲作曲の課題があり、そのための受験生の指導をしていてたまたまできた作品だと言います。白秋の詩の言葉のリズムにこれ以上はないというくらい見事にはまって、美しい歌になっています。
( 2014.10.16 藤井宏行 )