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Le lever   CG. 400  
  6 mélodies
日の出  
     6つのメロディ

詩: ミュッセ (Louis Charles Alfred de Musset,1810-1857) フランス
    Premières poésies  Le lever

曲: グノー (Charles Gounod,1818-1893) フランス   歌詞言語: フランス語


Assez dormir,ma belle,
Ta cavale Isabelle
Hennit sous tes balcons,
Vois tes piqueurs alertes,
Et sur leurs manches vertes
Les pieds noirs des faucons.

Vois écuyers et pages,
En galants équipages,
Sans rochet ni pourpoint,
Têtes chaperonnées,
Trainer les haquenées,
Leur arbalète au poing.

Vois bondir dans les herbes
Les lévriers superbes,
Les chiens trapus crier.
En chasse,et chasse heureuse!
Allons,mon amoureuse,
Le pied dans l'étrier!

Oh! sur ton front qui penche,
J'aime à voir ta main blanche
Peigner les cheveux noirs;
Beaux cheveux qu'on rassemble
Les matins,et qu'ensemble
Nous défaisons les soirs!

Allons,mon intrépide,
Ta cavale rapide
Frappe du pied le sol,
Et ton bouffon balance,
Comme un soldat sa lance,
Son joyeux parasol!

Mets ton écharpe blonde
Sur ton épaule ronde,
Sur ton corsage d'or,
Et je vais,ma charmante,
T'emporter dans ta mante,
Comme un enfant qui dort!

もう眠るのは十分だろ ぼくの恋人よ
君の馬も イザベルよ
君のバルコニーでいなないている
ご覧よ 気のきく狩人たちが
その緑の袖に
黒足のハヤブサを載せてるだろ

ほら 従者やお小姓が君を待ってる
この勇敢な部隊は
ラチェットもベストも着てはいないけど
シャペロンを頭にかぶってないけど
おとなしい馬を連れて
手には弓を持っている

ご覧 草の中で飛びはねている
美しいグレイハウンドたちが
太い足の犬たちが吠えている
狩だ 楽しい狩だ!
行こうよ 恋人よ
足に拍車をつけて!

おお!君の額にもたれかかり
ぼくは君の白い手を見るのが好きだ
黒髪を櫛で梳く姿を
きれいなその髪は
朝に纏められて
ぼくたちは 夜に元に戻すんだ!

行こう ぼくの勇敢な人よ
君の元気な馬が
地面を蹴っている
そして君はふざけて振りまわす
槍を持った兵士みたいに
きれいな日傘を!

君のきれいなスカーフをつけて
君の肩のまわりに
君の金色の胴着の上に
そしてぼくは行くよ 恋する人よ
マントの下の 君を運んで 
眠る子供のような!


角笛の響きを模した爽やかなピアノの伴奏に乗せて、今から恋人を狩りへと連れ出そうと窓辺で訴えかける若い男(詩人のミュッセ自身でしょうか)の声が軽やかに流れて行きます。さすがグノーといった感じの魅惑に満ちた曲ですがほとんど聴ける機会はありません。テノールの爽やかな声で映えるのですが、最近フランス歌曲を積極的に取り上げるテノール歌手というのがほとんどいないような感じなので...
ミュッセの原詩は7節からなるもののようですが、歌を書くにあたって2節一組でひとつの歌の区切りにしたためにグノーの作品では1節省略(第4節)して全6節となっています。日傘を槍のように振りまわして遊ぶとか、なかなかお転婆なお嬢さんのようですね。でなければ狩りに誘われることもないでしょうし。
野生動物の血を見るわけですからあんまり女性を誘うような娯楽ではないかと思うのですが、そう考えるとちょっと不思議な状況ではあります。

( 2014.09.27 藤井宏行 )


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