Nochevala tuchka zolotaja |
金色の雲は眠る |
Nochevala tuchka zolotaja Na grudi utesa-velikana; Utrom v put’ ona umchalas’ rano, Po lazuri veselo igraja. No ostalsja vlazhnyj sled v morshchine Starogo utesa. Odinoko On stoit; zadumalsja gluboko, I tikhon’ko plachet on v pustyne... |
金色の雲は眠る 巨大な絶壁の胸の中で 朝にはまた動き出す 楽しげに自分の青さを揺らしながら だが、皺の上をうるませて 年老いた絶壁はひとりぼっちで そそり立ち、物思いに沈みながら すすり泣くのだ 穏やかに砂漠の中で |
チャイコフスキーは歌曲ではプーシキンやレールモントフといったビックネームの詩人の詩につけたものはほとんどありません。ここに取り上げたのはアカペラの混声合唱曲で、珍しくレールモントフのコーカサス追放時代(1841)の詩に曲をつけています。作品番号はついておらず、1887年の作品なのだそうです。
作曲者がまさにこの詩の舞台であるグルジアの保養地に留まっていたときに書かれたものの、その楽譜は作曲者の死後に見つかったということのようです。
ブリリアントレーベルにあるポポフ指揮モスクワ・アカデミー合唱団の演奏が手に入りやすいでしょうか。チャイコフスキーの合唱作品を集めていてとても魅力的なアルバムです。
( 2014.09.22 藤井宏行 )