K portretu Op.40-4 12 romansov |
ポートレイトに 12のロマンス |
Kak mal’chik kudrjavyj,rezva, Narjadna,kak babochka letom; Znachen’ja pustogo slova V ustakh ee polny privetom. Ej nravit’sja dolgo nel’zja: Kak tsep’,ej nesnosna privychka, Ona uskol’znet,kak zmeja, Porkhnet i umchitsja,kak ptichka. Tait molodoe chelo Po vole i radost’,i gore. V glazakh,kak na nebe,svetlo, V dushe ee temno,kak v more! To istinoj dyshit v nej vse, To vse v nej pritvorno i lozhno. Ponjat’ nevozmozhno ee, Zato ne ljubit’ ne vozmozhno. |
少年のちぢれ毛のように元気にあふれ 気品あふれてもいる 夏の蝶々のように 意味のない言葉も 彼女の口から発せられれば 愛情に満ちる ずっと愛し続けることなど 彼女には不可能だ 鎖のように 耐えがたいのだ 習慣なんて 彼女はするりと逃げ出す まるで蛇のように 跳んでは飛び去って行く まるで小鳥のように その若い額に隠しているのだ 喜びも悲しみも 意志に満ちて その瞳は 天国のように明るく その心は暗い まるで海のように! あるいは 真実が息づくのだ 彼女のすべてのうちに あるいは 彼女のすべては装いと偽り 不可能なのだ 彼女を理解することなど だがそれでも 愛さずにはいられない |
ロシア革命期からその後のソヴィエト時代に27曲もの交響曲を中心に管弦楽作品をたくさん残したことで知られるミャスコフスキー、実は結構な数の歌曲を書いています。残念ながらまとまった形で紹介されることはなく、私もいくつかのロシア歌曲のアンソロジーの中で断片的に聴いたことがあるだけです。
今回初めてご紹介するレールモントフ作詞のこの曲、実はすべてレールモントフの詩につけた12曲からなる歌曲集作品40の一曲ですが、この他の曲はまだ耳にできておりません。
1840年作のこの詩、美しい女性の肖像画を見ながら心に浮かぶままを詩にしたという感じでしょうか。もっともものの本によれば、この詩はアレクサンドラ・ヴォロンツォワ=ダシコワ伯爵夫人に捧げられた詩とありますので、高貴な女性へのお世辞で書かれたということなのかも知れません。
ミャスコフスキーの書いたメロディはちょっとおどけた感じのワルツ、途中ちょっとだけ翳るところもありますがそこはかとなく楽しげです。YoutubeでMaria Kovalchakという若くてきれいなソプラノ歌手によって歌われたものが2本上がっておりました。いずれもライブで2011年と2012年とありましたが、2012年の方の出来が圧倒的に良いです。相当思い入れのある曲なのでしょうね。
( 2014.09.21 藤井宏行 )