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Il Segreto    
 
秘めごと  
    

詩: ステケッティ (Lorenzo Stecchetti,1845-1916) イタリア
      

曲: トスティ (Francesco Paolo Tosti,1846-1916) イタリア   歌詞言語: イタリア語


Ho una ferita in cor che gitta sangue,
Che a poco a poco mi farà morir.
Trafitta dal dolor l'anima langue,
Amo e il segreto mio non posso dir.
Bello come la luce a me daccanto
Il segreto amor mio veggo talor,
Ei passa e sento in me comeuno schianto,
Un impeto di gioia e di dolor e di dolor.

Dal primo giorno non ho mai sperato,
Il segreto fatale ho chiuso in me,
Ed egli non saprà d'esser amato,
Mi vedrà morta e non saprà perchè.
Eppur se il veggo,aprir vorrei le braccia,
Dirgli che l'amo e che il mio cor gli do.
Vorrei fissarlo arditamente in faccia,
Ma il cor mi trema e gli occhi alzar non so

私にはひとつの傷がある 心の中に それは血を吹いて
少し また少しと私を死に至らしめる
その痛みに貫かれて 魂は苦悩し
愛している その秘密を明かすことができないのだ
光の輝きのような美しさが私のそばにある
私のひそかに愛する人を時折見ることがある
その人が通り過ぎると 私は心が打ち砕かれたように感じる
一撃なのだ 喜びと そして苦しみの 苦しみの

最初の日から私には希望がない
この運命的な秘密を私は胸のうちにしまったのだ
あの人は知ることはない 愛されていることを
私が死んでも それがなぜなのかは分からないだろう
それでもあの人を見ると 私は腕を広げ
あの人に言いたくなる 愛してる この心を捧げますと
じっと思い切ってあの人の顔を見つめていたい
けれど私の心は震え 目を上げることさえできないのだ


秘めた女心のいじらしい歌のようですが、男声で朗々と歌われることの方が多いようなのでそちらをイメージして訳してみました。
前半の暗く沈んだ音楽が後半転調で明るく朗々と響くところはトスティのよくやる手ですが、それでもやはりこの美しいメロディには結局はめられて聴き惚れてしまうのでした。

先日亡くなったイタリアのテノール、カルロ・ベルゴンツィもトスティの歌曲は好んで歌っていたようで、この曲の録音もあります。彼の真摯な歌声はこういう切実感あふれる曲に良く合っていて実に素晴らしい聴きものになっています。

( 2014.08.04 藤井宏行 )


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