En revenant de Nantes Chansons Populaires Françaises |
ナントからの帰り道 フランスの大衆的シャンソン |
En revenant de Nantes Il passait par Glisson Diguedon ma dondaine. . . . Je m’en fus sur la place Y avait des marchands Diguedon. . . . Ne vendaient pas grand chose Vendaient des porillons Diguedon. . . . J’en ach’ ta un’ douzaine Y en eut un quarton Diguedon. . . . J’savais point où les mettre Je les mis dans mes fonds Diguedon. . . . Je m’en fus à la danse Les porillons sautant Diguedon. . . . Je relève les feuilles De c’qu’il y a dans mes fonds Diguedon. . . . C’étaient point des bêtises C’étaient des porillons Diguedon. . . . |
ナントからの帰り道 彼はグリソンに寄ってきた ディグエドン・マ・ドンデン 私は市場に寄った そこには商人たちがいた ディグエドン・マ・ドンデン あまり物は売ってなかったけれど 彼らは水仙を売っていた ディグエドン・マ・ドンデン 私は一ダースほど買った 花束には14本入っていた ディグエドン・マ・ドンデン 私はそれをどこに持てばよいか分からなかったので それをポケットの中に入れた ディグエドン・マ・ドンデン それから私は踊りに行った 水仙の花も跳びはねていた ディグエドン・マ・ドンデン 私は葉っぱを持ち上げた 私のポケットの中にある ディグエドン・マ・ドンデン それは愚かなことじゃなかった だって水仙なんだから ディグエドン・マ・ドンデン |
6人組の紅一点、タイユフェールの音楽は、プーランクのスタイルをより一層ポップにしたというのが一番ぴったりくるでしょうか。
ピアノ曲でも、室内楽でも実にわかりやすい、魅力的な音楽を書いています。その意味では、私はこの人は日本でいえば宮川泰や久石譲のような作曲家なのではないかと感じました。
そんな人の書いた「大衆的」な歌曲ですから、フランスの田舎の街角で辻音楽師によって歌われるシャンソンのような素朴な味わいです。とはいっても民謡風ではなく古旋法をも感じさせる品のあるもので、それが同じ古謡を素材にしたカントルーブの「オーベルニュの歌」の田舎臭さとは一線を画しています。
(あれはあれで良いのですけれど)
録音は私の知る限り1枚だけ、INTRADAから出ている(最近はレーベル名が変わったらしいのでCD-NOWかなにかで探して下さい)タイユフェール作品集の中に収録されており、サティなんかの曲がお好きな方は是非聴いてみられると良いと思います。歌っている歌手はアメリカのソプラノ、P・マギニスという人ですが、クラシック系でなくミュージカル風の発声をする人なので曲のイメージにぴったりではないかと。あまりうまくはないですけれども。
(1999.06.20)
原詩を手に入れ、それをもとに訳詞も改訂しました。15年前に書いていた記事では誤解を招く書き方ですが、これらは民謡の編曲ですね。
( 2014.09.07 藤井宏行 )