Douce mer |
静かな海 |
Murmure autour de ma nacelle, Douce mer dont les flots chéris, Ainsi qu'une amante fidèle, Jettent une plainte éternelle Sur ces poétiques débris. Que j'aime à flotter sur ton onde, A l'heure où du haut du rocher L'oranger,la vigne féconde, Versent sur ta vague profonde Une ombre propice au nocher! Souvent,dans ma barque sans rame, Me confiant à ton amour, Comme pour assoupir mon âme, Je ferme au branle de ta lame, Mes regards fatigués du jour. |
私の小舟の周りでささやく 静かな海 そのやさしい波は 誠実な恋人のように 永遠の不平を投げかける その詩的なものの残骸に なんとお前の揺らぎの上にいることの心地よさよ 今この時に 岩の上より オレンジの木が、実ったブドウが お前の深い波の上に 舟人に親しげな影を投げかける 時に、このオールのない小舟の中で 私をお前の愛に委ね 私の魂をまどろませようとするならば 私は閉じよう お前の波の揺らぎの中で 日々に疲れた私の眼差しを |
伸びやかな 朗々と歌われる歌声はまるで舟人のふなうた。歌詞の方は最後は愛と死の濃厚な情景を描き出していますが、歌は淡々と流れて行きます。最後の伸びやかなヴォカリーズが印象に残ります。Hyperionにあるステファン・ヴァーコーの気品ある歌声が痺れるくらい魅力的でした。女声でも歌われる曲のようですがこれは男声で聴きたいですね。ハイテナーで聴くととても映える曲だと思います。
( 2014.04.26 藤井宏行 )