Chanson d'avril CG. 357 |
四月の歌 |
Mignonne,voici l'Avril! Le soleil revient d'exil; Tous le nids sont en querelles; L'air est pur,le ciel léger, Et partout on voit neiger Des plumes de tourterelles. Prends,pour que nous nous trouvions, Le chemin des papillons Et des frêles demoiselles; Viens,car tu sais qu'on t'attend Sous le bois,près de l'étang Où vont boire les gazelles! |
愛しい人よ ほら夜明けだ! 太陽が逃げていたところからまた戻って来た 鳥の巣の中ではみんなさえずっている 空気は澄み 空は軽やかだ そしてあちこちで雪のように降ってくるのは 鳩たちの羽さ 出ておいでよ そうすればぼくたちは会える 蝶の小道のところ 淑女たちの行く道で さあ 君は知ってるだろう 自分が待たれていると 森の中 池のそばで そこにはカモシカが水を飲みに来るんだ |
サラ・ベルナールも演じたという詩人フランソワ・コペエの詩劇「行きずり Le Passant (1869)」の中で、まさにその彼女が演じた吟遊詩人ザネットが歌うセレナーデ、グノーの曲は1872年の作曲です。舞台で実際にこの歌が歌われたのかどうかは分かりませんが。
この詩にはマスネもメロディをつけています。軽快で華やかなそちらに比べるとグノーの曲はもう少ししっとりと朴訥な感じで舞台にも似合っているように思えます。グノーの歌曲の中でもほとんど顧みられることがないのが惜しいところではありますが。
( 2014.04.05 藤井宏行 )