Sonett Op.14-4 Acht Lieder und Romanzen |
ソネット 8つの歌とロマンス |
Ach,könnt' ich,könnte vergessen sie, Ihr schönes,liebes,liebliches Wesen, Den Blick,die freundliche Lippe die! Vielleicht ich möchte genesen! Doch ach,mein Herz,mein Herz kann es nie! Und doch ist's Wahnsinn,zu hoffen sie! Und um sie schweben, Gibt Mut und Leben,Zu weichen nie. Und denn,wie kann ich vergessen sie, Ihr schönes,liebes,liebliches Wesen, Den Blick,die freundliche Lippe die? Viel lieber nimmer genesen! |
ああぼくにできたなら ぼくにあの人を忘れることが 彼女の美しく 愛らしくかわいい仕草を あの眼差しを 親しげなあのくちびるを! おそらくぼくは救われるのだろう! だけどああ、ぼくの心には ぼくの心にはそれはできないのだ 馬鹿げたことなのに 彼女に望むなんて! でも彼女のまわりをさまようと 勇気を 元気をもらえるのだ けっしてくじけない それなら何で 彼女をわすれなくちゃいけないんだ? 彼女の美しく 愛らしくかわいい仕草を あの眼差しを 親しげなあのくちびるを! ずっと良いじゃないか 決して救われない方が! |
ソネットの形(4+4+6行詩)にはなっておりませんがブラームスはこのタイトルをつけました。ヨーロッパ諸国の民謡を収集し、ゲーテや、「少年の不思議な角笛」を編纂したブレンターノたちにも大きな影響を与えたゴッドフリート・ヘルダーがフランス語の詩からドイツ語に訳しているものです。原詩は中世のトゥルバドゥールとしても知られているシャンパーニュ伯(ナヴァラ王)ティボー4世(1201-1253)ということだそうで、この人のオリジナルの歌も古楽のCDなどでは良く収録されているようですが、残念ながらこの歌の原詩に該当しそうなものは見つけることはできませんでした。
( 2014.03.23 藤井宏行 )