The choirmaster's burial Op.52-5 Winter Words |
聖歌隊長の葬礼 冬の言葉 |
He often would ask us That,when he died, After playing so many To their last rest, If out of us any Should here abide, And it would not task us, We would with our lutes Play over him By his grave-brim The psalm he liked best - The one whose sense suits “Mount Ephraim” - And perhaps we should seem To him,in Death's dream, Like the seraphim. As soon as I knew That his spirit was gone I thoguht this his due, And spoke thereupon. “I think,” said the vicar, “A read service quicker Than viols out-of-doors In these frosts and hoars. That old-fashioned way Requires a fine day, And it seems to me It had better not be.” Hence,that afternoon, Though never knew he That his wish could not be, To get through it faster They buried the master Without any tune. But 'twas said that,when At the dead of next night The vicar looked out, There struck on his ken Thronged roundabout, Where the frost was graying The headstoned grass, A band all in white Like the saints in church-glass, Singing and playing The ancient stave By the choirmaster's grave. Such the tenor man told When he had grown old. |
彼はよく俺たちに頼んだものだ 自分が死んだら 今までこんなに大勢の人のために演奏してきたのだから 彼らの最後の安息のために だからもしお前たちの中で誰かが ここに生き残っていたなら そしてそれが面倒でなかったのなら 俺たちのリュートを 遺骸の上で奏でてはくれないかと 自分の墓のそばで 一番好きだった讃美歌 中身もその場にふさわしい 「エフレイムの山」を そうしてくれれば俺たちの姿が自分には 死の夢の中で 大天使様のように見えるのだろうからと そういうわけで俺が知った時には 彼の魂が昇天したことを 俺は思った 彼の願いは叶えられるべきだと だからそう俺は言ったんだ 「私が思うに」 牧師様はおっしゃった 「朗読の礼拝の方がずっと早いですよ 外でヴィオールを弾くよりも こんな霜の降りた寒さの中でね そういう古いやり方は 晴れた日でないとできませんよ 私にはそれは やめておいた方が良いように思えます」と そんなわけで その日の午後 彼には決して知る由もなかったのだけれど 自分の願いが叶えられなかったことなどは 手早く終えるために 皆で楽隊長を埋葬したのだ 音楽の調べひとつなく だがその後 こんな話があった 次の日の真夜中 牧師様が外を眺めると 彼の目に入ってきたのは ぐるっと取り巻いている姿 霜が灰色にしているところ 墓石のあるところの芝を灰色に 白い衣を纏った一団が まるで教会のステンドグラスに描かれた聖者様のように 歌い 奏でている姿だった 昔の曲を 聖歌隊長の墓の傍らで そんな風にあのテナー歌手は語った 彼が年老いた時に |
聖歌隊長が遺言を語っているいにしえの讃美歌のような懐かしい響きの冒頭、そして聖歌隊長が亡くなって埋葬するまでの騒然とした様子、そして天使たちの葬送の音楽の場面で再び戻ってくる敬虔な音楽、心安らぐ美しい音楽です。最後の不思議な余韻を残す終わり方もとても印象的です。
( 2013.12.28 藤井宏行 )