Inno delle nazioni |
諸国民の賛歌 |
<Coro di popolo> Gloria pei cieli altissimi, Pei culminosi monti, Pei limpidi orizzonti Gemmati di splendor. In questo dí giocondo Balzi di gioia il mondo, Perchè vicino agli uomini È il regno dell’Amor! Gloria! I venturi popoli Ne cantin la memoria, Gloria pei cieli!… Gloria! <Bardo> Recitativo Spettacolo sublime!… ecco… dai lidi Remoti della terra,ove rifulge Cocentemente il sol,ove distende Bianco manto la neve,una migrante Schiera di navi remigar per l’acque Degli ampii oceani,ed affollarsi tutte Verso un magico Tempio,ed in quel Tempio Spargere a mille a mille i portentosi Miracoli del genio!… E fuvvi un giorno Che passò furïando,quel bïeco Fantasma della guerra; allora udissi Un cozzar d’armi,un saettar di spade, Un tempestar di carri e di corsieri, Un grido di trionfo… e un ululante Urlo… e colà ove fumò di sangue Il campo di battaglia,un luttuoso Campo santo levarsi,e un’elegia Di preghiere,di pianti e di lamenti… Ma in oggi un soffio di serena Dea Spense quell’ire,e se vi furo in campo Avversarii crudeli,oggi non v’hanno In questo Tempio che Fratelli in Arte, E a Dio che ’l volle alziam di laudi un canto. <Bardo,poi Coro> Signor,che sulla terra Rugiade spargi e fior E nembi di fulgori E balsami d’amor; <Bardo> Fa che la pace torni Coi benedetti giorni, E un mondo di fratelli Sarà,la terra allor. <Coro> Signor,che sulla terra etc. <Bardo> Salve,Inghilterra,Regina dei mari Vessillo antico di libertà!… Oh,Francia! Tu,che spargesti il generoso sangue Per una terra incatenata,salve! Oh Italia… oh Patria mia… che il cielo Vegli su te fino a quel dì che grande, Libera ed una tu risorga al sole! Oh Italia… oh Patria,oh Patria! <Coro> God save our gracious Queen, Long live our noble Queen, God save the Queen. Send her victorious, Happy and glorious, Long to reign over us, God save the Queen. |
<人々のコーラス> 栄光あれ 高き天に 山々の頂に 澄み渡る地平線に 輝きで彩られた この歓喜の日に 世界を喜びで飛びはねさせよ なぜならば人の世には近づいているからだ 愛の王国が 栄光あれ!未来の人々が その記憶を歌い続けるように 栄光あれ 天に!...栄光あれ! <独唱者> (レシタティーヴォ) 崇高な光景!...ここ...この岸辺 大地より遠く離れたところ そこには輝くのだ 焼け付くような太陽が そこには広がるのだ 雪の白い覆いが 移住者の 船の列が水の上を渡ってくる 広い大洋を越えて そして皆押し寄せてくる 魔法の神殿に向かって その神殿のうちには 広がっている 千の 千もの奇跡的な 精霊の魔法が!... かつてはあったのだ 怒りに満ちて通り過ぎたことが 不吉な 戦争の亡霊が 聞こえていたのであろう 武器の衝突が 剣のきらめくぶつかり合いが 戦車や騎馬の轟きが 勝利の雄叫びを...そして最期の 叫びを...そして血煙たちこめる 戦場では 嘆きが 墓より上がり そして哀歌が響く 祈りと 涙と そしてうめき声の... だが今や 穏やかな女神の息吹が そのような怒りを鎮める そしてわれらが戦場にあって 残虐な敵同士であったとしても、今はわれらは この神殿の中では 人類の同胞となったのだ さあ神にわれら賛美の歌を歌おう <独唱者 その後コーラス> 主よ この大地に 振りまかれるお方よ 露を 花を 輝きの雲を そして愛の香りを <独唱者> さあ平和を取り戻そう 祝福されし日々を 友愛の世界となるのだ そのとき この地上は <コーラス> 主よ この大地に… <独唱者> 挨拶しよう イギリスよ 海の女王 いにしえの自由の象徴よ!...おおフランスよ 汝は 寛大にもその血を流してくれた この束縛された地のために さあ挨拶しよう! おおイタリアよ...おおわが祖国よ...天が 汝を見守りますように 偉大さの中 その日の来るまで 自由で 統一され 再び太陽の昇る日が! おおイタリアよ...おお祖国よ おお祖国よ! <コーラス> 神よ救い給え われらが寛大な女王さまを 栄光あれ われらが高貴な女王さまを 神よ救い給え 女王さまを 彼女にもたらし給え 勝利を 幸と栄光を われらに君臨する末永き統治を 神よ救い給え 女王さまを |
1862年のロンドン万国博覧会のために作曲された機会音楽です。この手のジャンルの作品はけっこうキワモノ系になってしまいがちですがこの作品もご多分にもれず、少々妙な仕上がりです。初めの方こそ、アイーダかドン・カルロかと思わせるような迫力ある合唱が素晴らしいですし、それを引き継いで歌うテノールのソロも戦場での苦悩が今や平和のもとでの同胞愛へと変わり、そして神への賛美を合唱と共に堂々と歌うところまでは壮年期のヴェルディの音楽の魅力が盛り込まれてなかなかのものです。ところがそれを受けての再びのテノールソロ、イギリス、フランス、イタリアと順に歌うところ、それぞれの国の国歌が巧妙に織り込まれて豪華絢爛なお祭り騒ぎ状態と化して行くのです。まあ万博というお祭り騒ぎですから似合っていると言えば似合ってるのですが、それにしても無駄にパワフルな音楽で国歌メドレーを聴くのも何となく気恥しくなるところがあります。テノールソロのイタリア国家を受けて今度は合唱がそのまんまのイギリス国歌を英語で歌いますが、ここにテノールソロがイタリア語で「Salve」だの「Regina」だのとソロのときに歌っていた言葉を噛ませるのも面白いですし、このあと3つの国歌が入り乱れていくのも呆然自失です。最後は中間部の神を讃えているところのコーラスで盛り上がり、堂々としたコーダで締める、何とも言えない過剰なパワーが空回りしているような曲です。
万国博なのに3つの国歌だけというのも違和感のあるところですが、イタリアの国歌統一に好意的だった英仏両国に感謝するためにえこひいきした(逆にイタリアに敵対していたドイツ・オーストリアは忌避された)というのがその理由だと言われております。
非常にえぐい政治の産物なのですね。政治の産物といえば第二次大戦中、アメリカに亡命していたイタリアの指揮者トスカニーニがこの曲を連合国の協調のために取り上げ、その際にアメリカとソビエトの国歌(ソビエトは「インターナショナル」を使ったのだそうです)を追加で盛り込み、また枢軸国だったイタリアの国歌は歌詞を「イタリア 裏切った祖国よ」といった内容に書き換えて演奏しました。この演奏は録音・映像が残されていて今でも見聞きすることができます。あまり趣味が良いとは私は感じませんが、時代の記録としてはたいへんな価値があると思います。オーソドックスな昔ながらのスタイルのものは、演奏時間が10分少々ですので時々ヴェルディのオペラ合唱曲集といったCDのフィルアップに使われていることがあり、それで聴けます。
( 2013.10.06 藤井宏行 )