Des Baches Wiegenlied Op.25 D 795 Die schöne Müllerin |
小川の子守歌 美しき水車小屋の娘 |
Gute Ruh,gute Ruh! Tu die Augen zu! Wandrer,du müder,du bist zu Haus. Die Treu' ist hier, Sollst liegen bei mir, Bis das Meer will trinken die Bächlein aus. Will betten dich kühl Auf weichem Pfühl In dem blauen kristallenen Kämmerlein. Heran,heran, Was wiegen kann, Woget und wieget den Knaben mir ein! Wenn ein Jagdhorn schallt Aus dem grünen Wald, Will ich sausen und brausen wohl um dich her. Blickt nicht herein, Blaue Blümelein! Ihr macht meinem Schläfer die Träume so schwer. Hinweg,hinweg Von dem Mühlensteg, Böses Mägdelein,daß ihn dein Schatten nicht weckt! Wirf mir herein Dein Tüchlein fein, Daß ich die Augen ihm halte bedeckt! Gute Nacht,gute Nacht! Bis alles wacht, Schlaf aus deine Freude,schlaf aus dein Leid! Der Vollmond steigt, Der Nebel weicht, Und der Himmel da oben,wie ist er so weit! |
しっかりと憩いなさい しっかりと憩いなさい あなたの両目を閉じて! さすらい人よ 疲れたでしょう あなたは家に帰ったのですよ 誠実さがここにはあります 私のそばでに横たわりなさい 海が小川を飲み干すまで あなたを冷たく休ませてあげましょう この柔らかい枕の上 この青い水晶のような部屋の中で お入りなさい お入りなさい 揺らせるものは何でも 揺すって眠りへと誘うのです 私の少年を! もし狩人の角笛が響いたなら あの緑の森の方から 私はせせらぎ ざわめいて しっかりとあなたを包みましょう 中をのぞかないで 青い小さな花たちよ お前たちはこの眠る子の夢を重くするのだから あっちへお行き あっちへお行き この水車場の橋から 冷酷な娘よ あなたの影がこの子を目覚めさせぬように! 私の中へ投げ入れなさい あなたのきれいなハンカチを それで私がこの子の目を しっかり覆ってあげるから お休みなさい お休みなさい すべての人が目覚めるときまで お眠り あなたの喜びから離れ お眠り あなたの悲しみから離れて 満月が昇り 霧が晴れて 頭の上の空の 何と広々としていることでしょう! |
最後も(若者は死んでしまいましたので)小川ひとりの語り。悲しい結末ではありますが、小川の安らかな歌声は何とも言い難い安堵感にあふれています。もっとも詩はかなり怖いことを語ってはいますけれども...
最後の節の「すべての人が目覚める」というのはキリスト教の最後の審判のことでしょうか。月の照らす空の描写といい、ズームアウトしていくスケール感が印象的です。
( 2013.10.05 藤井宏行 )