Der Müller und der Bach Op.25 D 795 Die schöne Müllerin |
水車職人と小川 美しき水車小屋の娘 |
(Der Müller): Wo ein treues Herze In Liebe vergeht, Da welken die Lilien Auf jedem Beet; Da muß in die Wolken Der Vollmond gehn, Damit seine Tränen Die Menschen nicht sehn; Da halten die Englein Die Augen sich zu Und schluchzen und singen Die Seele zur Ruh. (Der Bach): Und wenn sich die Liebe Dem Schmerz entringt, Ein Sternlein,ein neues, Am Himmel erblinkt; Da springen drei Rosen, Halb rot und halb weiß, Die welken nicht wieder, Aus Dornenreis. Und die Engelein schneiden Die Flügel sich ab Und gehn alle Morgen Zur Erde herab. (Der Müller): Ach Bächlein,liebes Bächlein, Du meinst es so gut: Ach Bächlein,aber weißt du, Wie Liebe tut? Ach unten,da unten Die kühle Ruh! Ach Bächlein,liebes Bächlein, So singe nur zu. |
【水車職人】: 誠実な心が 愛の中で死ぬところでは ユリの花たちもしおれるだろう あらゆる花壇の中で そして雲の中へと 満月は隠れなければならないんだ その涙を 人に見られないように そこでは天使たちも閉じるんだ その両目を そしてすすり泣き 歌う 魂に安らぎを与えようと 【小川】: でももしも愛が 苦しみから逃れられたならば ひとつの小さな星 新しい星が 空にきらめくでしょう それから三本のバラが咲き出でるのです 半分赤く 半分白いバラが バラは二度と枯れることはありません そのイバラの枝の上で そして天使たちも切り取ります 自分たちの羽根を そして毎朝降りて来るのです 大地の上に 【水車職人】: ああ小川よ いとしい小川よ お前はそんなに考えてくれているんだね ああ小川よ だけど知っているのかい 愛がどうなるのかは? ああ 水底へ この水底へ そこには冷たい安らぎがある! ああ小川よ いとしい小川よ ただひたすら歌っていておくれ |
ここで初めて小川が言葉を発します。といってもこの水車職人の若者の脳内にしか聞こえない幻聴なのかも知れませんが。詩人のプロローグで「最後に小川が喋る」とありました。次の詩の「子守歌」ともども、小川の語りは安らぎに満ちてとても優しい響きです。暗く沈んだ若者の気持ちを慰める小川、しかし若者はここで完全に死を決意してしまうのでした。
( 2013.09.29 藤井宏行 )