Die böse Farbe Op.25 D 795 Die schöne Müllerin |
嫌いな色 美しき水車小屋の娘 |
Ich möchte ziehn in die Welt hinaus, Hinaus in die weite Welt; Wenn's nur so grün,so grün nicht wär, Da draußen in Wald und Feld! Ich möchte die grünen Blätter all Pflücken von jedem Zweig, Ich möchte die grünen Gräser all Weinen ganz totenbleich. Ach Grün,du böse Farbe du, Was siehst mich immer an So stolz,so keck,so schadenfroh, Mich armen weißen Mann? Ich möchte liegen vor ihrer Tür In Sturm und Regen und Schnee, Und singen ganz leise bei Tag und Nacht Das eine Wörtchen: Ade! Horch,wenn im Wald ein Jagdhorn schallt, Da klingt ihr Fensterlein! Und schaut sie auch nach mir nicht aus, Darf ich doch schauen hinein. O binde von der Stirn dir ab Das grüne,grüne Band; Ade,ade! Und reiche mir Zum Abschied deine Hand! |
ぼくは飛び出して行きたいんだ この世界の中に この広い世界の中へと もしもそこがこんなに緑色で こんなに緑色でなかったのなら この表の森や野原が ぼくは 緑の木の葉をみんな あらゆる枝からむしり取ってしまいたい ぼくは 緑の草をみんな 涙ですっかり枯らしてしまいたい ああ緑よ 忌まわしい色よ どうしてぼくをいつでも見つめるんだ そんなに堂々と そんなに大胆に そんなに意地悪く この哀れに蒼ざめた男を ぼくはあの子の戸口の前に横たわりたい 嵐の中でも 雨でも 雪の中でも そして静かに歌っていたいんだ 昼も夜も たったひとつの言葉 「さよなら」を ほら 森の中で狩りの角笛が鳴ると あの子の窓がきしるんだ そして彼女がぼくの方を見ようとしなくたって ぼくがその中を覗き込めるってわけさ おお 君の額からほどいておくれ その緑の 緑のリボンを さよなら さよなら! そして与えておくれ お別れを 君の手で! |
前の曲と対になる歌ですが、こちらはまた元気が戻ってきたようです。激しい嫉妬の感情は、最後のところで恋敵たる狩人の角笛の響きに掻き立てられて別れの捨て台詞となります。娘に与えた緑のリュートのリボンを返せと吐き捨てて。しかし未練たらたらなのは明らかでしょう。
この曲を最後に激しい音楽はなりをひそめて、若者はこのあと死への旅路を一歩一歩と向かって行きます。
( 2013.09.14 藤井宏行 )