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Zabotlivyje mama i tjotja   Op.79-2  
  Iz Jevrejskoj Narodnoj Po`ezii
心配性の母と叔母  
     ユダヤの民族詩より

詩: 民謡詞 (Folktune,-) 
      

曲: ショスタコーヴィチ (Dimitry Shostakovich,1906-1975) ロシア   歌詞言語: ロシア語


詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
さあ さあ さあ
村まで とうちゃん、行っといで!
わしらにリンゴを持ってきて
目玉が痛くならぬよに!
さあ

さあ さあ さあ
村まで とうちゃん、行っといで!
わしらにめんどり持ってきて
歯が痛くならぬよに!
さあ

さあ さあ さあ
村まで とうちゃん、行っといで!
わしらにアヒルを持ってきて
胸が痛くならぬよに!
さあ

さあ さあ さあ
村まで とうちゃん、行っといで!
わしらにガチョウ持ってきて
おなかが痛くならぬよに!
さあ

さあ さあ さあ
村まで とうちゃん、行っといで!
わしらに種を持ってきて
頭が痛くならぬよに!
さあ

さあ さあ さあ
村まで とうちゃん、行っといで!
わしらにウサギを持ってきて
指が痛くならぬよに!
さあ


ピアノのユーモラスな響きと共にリズミカルなわらべ歌のような掛け合いが聴こえる第2曲、最後の「さあ」のところはオリエンタルなメロディラインも感じさせながらも、全体的にはお祭りのときの踊りの伴奏のような歌です。ですから歌詞も語呂やリズムの良さで付けられているはずなので、深読みできるところは(たぶん)ないはず。これもソプラノとメゾソプラノの掛け合いで、交互にメロディを歌ってから、最後の「さあ」の部分だけハモります。メゾがメロディを歌うときはこのハーモニーの主旋律をメゾが、ソプラノが歌うときはソプラノが歌うようなので、毎回ここの響きが微妙に変化するのも面白いです。
1955年の初演時と同じ、ニーナ・ドルリアクのソプラノとザラ・ドルハノーヴァのメゾに作曲者自身のピアノ伴奏でその翌年に入れられた録音(Russian Disc)が大変美しく、ピアノの訥々とした響きもあいまって実に魅力的です。ロシアの録音は今版権が大変混乱しているためか入手不可能なのかも知れませんけれども、私も一所懸命探したら先日ヴィシネフスカヤの歌った「ブロークの詩による7つのロマンス」の世界初演録音のディスクを見つけたりもしましたのでめぐり合わせがよければなんとかなるでしょう。
まあ、ショスタコーヴィチの歌曲というものがスヴェトラーノフの指揮するロシアの管弦楽作品の爆裂演奏みたいにファン層の厚い世界ではないですから、彼の振ったシンフォニーのロシア録音が日の目をみたようには再リリースがないのも仕方のないことなのかも知れませんが、ちょっとこの状況は寂しいものがあります。

そういえばこのスヴェトラーノフにもこの「ユダヤの民族詩」の管弦楽伴奏版を指揮した録音はあるみたいですね。聴いたことはないですがこれも派手にやらかしてくれているのでしょうか。

( 2006.02.16 藤井宏行 )


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