Prins Aladin av Lampan Op.26-10 Visor och stämningar |
ランプのアラジン 歌と抒情 |
Prins Aladin av Lampan har ingen lampa kvar, han trever under manteln där lampan var, han söker efter Ringen men ringen finner ingen som inga ringar har. Prins Aladin den store har tappat sitt förnuft. och trevar blint i luft. Han manar ur det vida: “Kom festslottet mitt med pälor och rubiner i salen,som skiner av guld och av vitt! I andar,I gören er plikt och er filt, I fören mig,I fören prinsessan Belbrududur den månemilda hit!” Så raglar framåt gatan, där trängseln är stor, prins Aladin i trasor och trasiga skor: “Se fånen,hör på hånen, den galne skräddarsonen, ni vet,nivet han tror han är sultanens bror!” I skräddare och tiggare, i kännen icke anden, man gör en vink med handen och ropar sakta blott: kom slott,kom slott,kom slott! Han ser åt himlaranden, han spanar efter anden, han väntar på sitt slott, då småler folket smått: “dit slott är allt i månen, se fånen,se fånen!” Ack,den som ägt om Lampan, har aldrig,aldrig ro, och den som burit Ringen, vill aldrig,aldrig tro, att icke undertingen från fordom äro kvar, fast villorna bedraga och tvivel honom gnaga och inga ting han har. Ty Lampan det är skaparkraft, som gör till makt en man, och Ringen det är troskraft, som allting kan. |
ランプのアラジン王子は ランプをなくしてしまった マントの下を探しまわる そこにランプがあったはずだと 彼は指輪も探しているが 見つけることは叶わない 指輪の力がなくしては 偉大なアラジン王子は 正気をなくしてしまった 闇雲にあたりを歩きまわる 彼は遠くに向かって叫ぶ 「出でよ、我が宮殿よ 真珠とルビーで飾られ 大広間が光輝く宮殿よ 黄金と純白に! 妖精たちよ、しっかり果たせ お前の義務とお前の役割を 我が元へ連れてこい、連れてこい ベルブドール王女を 月と輝く姫をここへ!」 そして通りをよろよろと歩いていく そこは人込みで溢れかえっている ぼろを纏ったアラジン王子 おまけに靴も破れている 「狂人がきたぞ、話を聞いてみよう 狂った仕立屋の息子が ほれ見ろ、自分のことを思い込んでいる スルタンの兄弟だと!」 おまえたち仕立て屋どもや乞食どもは 本当の魔法を知らないだろう 彼は手をそっと揺らして そしてゆっくりと叫ぶ 出でよ宮殿、出でよ宮殿、出でよ宮殿! 地平線の向こうを眺めながら 王子は魔人を捜し求め そして宮殿が現れるのを待つ 街の人たちは笑みを浮かべ言う 「お前の宮殿は妄想だ 狂人がいるぞ、狂人がいるぞ」 ああ、一度ランプを手にした者は 決して、決して心安らぐことはない そして指輪を付けた者は 決して、決して信じない 素晴らしかった昔が 消え去ったことを それがたとえ幻覚であって 疑いが芽生え ランプや指輪をなくしたあとでも なぜならランプは創造の源 それは人に力を与える そして指輪は信じる力 それがあれば何でもできる |
スウエーデンの作曲家ステンハンマルの作品は、高貴なたたずまいの中に美しい旋律が溢れていて、北欧音楽の中でも根強いファンが多いようです。60曲ほどある歌曲もその例外ではなく、端正な中に流麗な歌心があってなかなか素敵です。
少々強引なたとえですが、北欧のブラームスといっても当たらずと言えど遠からずではないかと...
今回はそんな中から少々異色な作品を取り上げてみました。
アラビアンナイトの世界に寄せて、失われた創造力を歌うこの曲、5分以上かかる大曲ですが、流れるようなピアノの伴奏と決然たる声の主旋律との対比が面白く、くるくると目まぐるしく変わる表情は最後の重々しい「創造の力」と「信じる力」で荘厳なクライマックスを迎えます。
スウェーデンのバリトン、ハーケゴールの愛唱歌のようで、2つの録音があります。中ではブラームスの晩年の歌曲とカップリングしたRCA盤が入手が容易かと。こうして続けて聴くとブラームス歌曲との相性がステンハンマル歌曲は非常に良いことが分かります。
あとはステンハンマル歌曲集のマッテイのバリトン(BIS)でしょうか。テノールの軽やかな声で歌われても面白く、その録音ではBISにアンテションのものがあります。
( 2004.06.10 藤井宏行 )