Das Mühlenleben Die schöne Müllerin |
水車小屋の生活 美しき水車小屋の娘 |
Seh' ich sie am Bache sitzen, Wenn sie Fliegennetze strickt, Oder Sonntags für die Fenster Frische Wiesenblumen pflückt; Seh' ich sie zum Garten wandeln, Mit dem Körbchen in der Hand, Nach den ersten Beeren spähen An der grünen Dornenwand: Dann wird's eng' in meiner Mühle, Alle Mauern ziehn sich ein, Und ich möchte flugs ein Fischer, Jäger oder Gärtner sein. Und der Steine lustig Pfeifen, Und des Wasserrads Gebraus, Und der Werke emsig Klappern, 'S jagt mich fast zum Thor hinaus. Aber wenn in guter Stunde Plaudernd sie zum Burschen tritt, Und als kluges Kind des Hauses Seitwärts nach dem Rechten sieht; Und verständig lobt den Einen, Daß der Andre merken mag, Wie er's besser treiben solle, Geht er ihrem Danke nach -- Keiner fühlt sich recht getroffen, Und doch schießt sie nimmer fehl, Jeder muß von Schonung sagen, Und doch hat sie keinen Hehl. Keiner wünscht,sie möchte gehen, Steht sie auch als Herrin da, Und fast wie das Auge Gottes Ist ihr Bild uns immer nah. -- Ei,da mag das Mühlenleben Wohl des Liedes würdig sein, Und die Räder,Stein' und Stampfen Stimmen als Begleitung ein. Alles geht in schönem Tanze Auf und ab,und ein und aus: Gott gesegne mir das Handwerk Und des guten Meisters Haus! |
ぼくは見る あの子が小川のそばに座っているのを ハエ取りの網を編んでいるか それとも毎日曜に窓に飾る みずみずしい野の花を摘んでいるかをしてる時の ぼくは見る あの子が庭を歩いているのを 小さなかごを手に 初めてのキイチゴを探しながら 緑のイバラの生け垣のところを すると水車屋の中が急に狭くなったように思えて 四方の壁がのしかかってくる ぼくは逃げ出して漁師になりたい 狩人か それとも庭師に 石臼は楽しそうに口笛を吹き 水車も轟々と音を立てる 歯車も忙しく声を交わし ぼくをすぐにでも門の外へと追い立てるんだ だけど良い頃合いになったときには あの子はお喋りしに徒弟たちのところにやってくる そしてこの家のしっかりものの娘として 目をすべらせて右手の方を眺める そしてさりげなく一人の徒弟を褒めるんだ 他の者に分かるように 褒められなかった奴はもっと頑張らなくっちゃとどれだけ思うだろう あの子に褒めてもらおうと 誰も正しく言い当てられてるとは感じてないが あの子がポイントを外すことはない 誰もが思いやりがあるというけれど あの子は決して裏表はない 誰も望んではいない あの子が行ってしまうことを たとえあの子が女王さまのようにふるまっても そしてまるで神様の目を持っているかのように 彼女の姿はいつもそばにある ああ こんな水車小屋の生活は きっと歌にできるだろう 水車と 石臼と杵とが そろって伴奏するんだ あらゆるものが美しいダンスをしながら 上がったり下りたり くっついたり離れたりする 神様 祝福してください ぼくのこの仕事を そして気の良い小屋の親方のことも! |
シューベルトが作曲にあたり、ミュラーの原詩集より除いたのは、詩人の口上が延々と述べられるプロローグとエピローグの他には3篇、これはそのうちのひとつにあたります。あとの2篇は若者が振られてからのドロドロした情念の詩ですので全部取り上げるとしつこくなり過ぎる感があり何となく省かれた理由は分かるのですが、この詩が省かれたのはちょっと不思議な感じがします。水車と石臼と杵とのコーラスの描写などはとても微笑ましいですし、歌になっても悪くないかなとは思うのですが。
この詩では、若者が恋した水車小屋の娘のことを詳しく描きだしています。なかなかしっかり者、というか水車小屋経営をしている親方の右腕、取締役人事部長兼総務部長とでもいうような役割をしっかりとこなしている出来過ぎた姿が少々鼻につく方もおられるかも知れませんね。その部分を思い切りカットして、とぼけた水車小屋のバックコーラスと対比させたら素敵な歌になっていたのかも知れませんが、シューベルトはこの歌曲集では詩に手を入れることはほとんど全くしていないようなので、こうしてあっさりカットされてしまいました。
( 2013.05.01 藤井宏行 )