Halt! Op.25 D 795 Die schöne Müllerin |
止まれ! 美しき水車小屋の娘 |
Eine Mühle seh ich blinken Aus den Erlen heraus, Durch Rauschen und Singen Bricht Rädergebraus. Ei willkommen,ei willkommen, Süßer Mühlengesang! Und das Haus,wie so traulich! Und die Fenster,wie blank! Und die Sonne,wie helle Vom Himmel sie scheint! Ei,Bächlein,liebes Bächlein, War es also gemeint? |
一軒の水車小屋が輝くのをぼくは見る 楡の林を出たところに せせらぎと歌声を貫いて 水車の回る音が響き渡る おい よく来たな おい よく来たな 素敵な水車の歌声よ そしてその家 なんと心地よさげなのか! そしてその窓 なんときらめいてることか! そして太陽は なんて明るいんだ 空から照らしてくれている! おい 小川よ いとしい小川よ これがお前の狙いなのか? |
川を下って行くと森が突然切れて、一軒の水車小屋が姿を現します。響いてくる水車の轟音が、そして太陽の光にきらめいている姿が自分を歓迎しているかのように思えて、若者はその出会いに運命的なものを感じたようです。と言っても粉挽職人の遍歴ですから、水車小屋があればそこで仕事をすることは必然、ここで仕事をすることを決めるかどうかはともかく、水車小屋を訪ねていくことは決まっています。
最後の「これがお前の狙いなか」という問いかけは、その水車小屋がとても魅力的に見えたので、ここで新たな仕事を始める予感のようなものでしょうか。この言葉は次の曲の冒頭にも引き継がれます。
( 2013.03.30 藤井宏行 )