Wohin? Op.25 D 795 Die schöne Müllerin |
どこへ? 美しき水車小屋の娘 |
Ich hört' ein Bächlein rauschen Wohl aus dem Felsenquell, Hinab zum Tale rauschen So frisch und wunderhell. Ich weiß nicht,wie mir wurde, Nicht,wer den Rat mir gab, Ich mußte auch hinunter Mit meinem Wanderstab. Hinunter und immer weiter Und immer dem Bache nach, Und immer frischer rauschte Und immer heller der Bach. Ist das denn meine Straße? O Bächlein,sprich,wohin? Du hast mit deinem Rauschen Mir ganz berauscht den Sinn. Was sag ich denn vom Rauschen? Das kann kein Rauschen sein: Es singen wohl die Nixen Tief unten ihren Reihn. Laß singen,Gesell,laß rauschen Und wandre fröhlich nach! Es gehn ja Mühlenräder In jedem klaren Bach |
ぼくには聞こえる 小川がさざめくのが 岩場の泉からそれはきっと湧き出て 谷間へと流れ落ちて行くんだ とてもさわやかに すばらしく明るく ぼくには分からない 自分に何が起きたのか 分からない 誰がぼくをそそのかしたのか ぼくはただひたすら下って行くだけだ さすらいの杖を手に 下流へ そして更に遠くへと ずっと小川の後をたどっていく いつでもさわやかにざわめいている いつでも明るい小川の後を これがぼくの行く道なのか? おお小川よ 教えてくれ どこへ行くんだ? お前はそのざわめきで ぼくの頭を麻痺させてしまうのだ 一体これをせせらぎと言っていいのか? これはせせらぎじゃないんじゃないか たぶんこれは妖精たちが 水底で輪舞を踊ってるんだろう 歌わせておこう さすらい人よ せせらがせておこう そして陽気について行くのだ! 水車はきっと回っているだろうから 清らかな小川ならどこだって |
小川の陽気なせせらぎを表しているような軽やかなピアノの6連符の伴奏にのって、歌もまた歩きながら鼻唄でも歌っているかのように軽快に紡ぎ出されて行きます。途中一瞬今から行く先が分からない不安を表すように音楽が翳ることがありますが、またすぐに明るく軽快な曲想が戻ってきます。
( 2013.03.09 藤井宏行 )