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Wohin?   Op.25 D 795  
  Die schöne Müllerin
どこへ?  
     美しき水車小屋の娘

詩: ミュラー,ヴィルヘルム (Johann Ludwig Wilhelm Müller,1794-1827) ドイツ
    Die schöne Müllerin 3 Wohin?

曲: シューベルト (Franz Peter Schubert,1797-1828) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Ich hört' ein Bächlein rauschen
Wohl aus dem Felsenquell,
Hinab zum Tale rauschen
So frisch und wunderhell.

Ich weiß nicht,wie mir wurde,
Nicht,wer den Rat mir gab,
Ich mußte auch hinunter
Mit meinem Wanderstab.

Hinunter und immer weiter
Und immer dem Bache nach,
Und immer frischer rauschte
Und immer heller der Bach.

Ist das denn meine Straße?
O Bächlein,sprich,wohin?
Du hast mit deinem Rauschen
Mir ganz berauscht den Sinn.

Was sag ich denn vom Rauschen?
Das kann kein Rauschen sein:
Es singen wohl die Nixen
Tief unten ihren Reihn.

Laß singen,Gesell,laß rauschen
Und wandre fröhlich nach!
Es gehn ja Mühlenräder
In jedem klaren Bach

ぼくには聞こえる 小川がさざめくのが
岩場の泉からそれはきっと湧き出て
谷間へと流れ落ちて行くんだ
とてもさわやかに すばらしく明るく

ぼくには分からない 自分に何が起きたのか
分からない 誰がぼくをそそのかしたのか
ぼくはただひたすら下って行くだけだ
さすらいの杖を手に

下流へ そして更に遠くへと
ずっと小川の後をたどっていく
いつでもさわやかにざわめいている
いつでも明るい小川の後を

これがぼくの行く道なのか?
おお小川よ 教えてくれ どこへ行くんだ?
お前はそのざわめきで
ぼくの頭を麻痺させてしまうのだ

一体これをせせらぎと言っていいのか?
これはせせらぎじゃないんじゃないか
たぶんこれは妖精たちが
水底で輪舞を踊ってるんだろう

歌わせておこう さすらい人よ せせらがせておこう
そして陽気について行くのだ!
水車はきっと回っているだろうから
清らかな小川ならどこだって


小川の陽気なせせらぎを表しているような軽やかなピアノの6連符の伴奏にのって、歌もまた歩きながら鼻唄でも歌っているかのように軽快に紡ぎ出されて行きます。途中一瞬今から行く先が分からない不安を表すように音楽が翳ることがありますが、またすぐに明るく軽快な曲想が戻ってきます。

( 2013.03.09 藤井宏行 )


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