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What if this present   Op.35-5  
  The Holy Sonnets of John Donne
もしも今この時が  
     ジョン・ダンの宗教的なソネット

詩: ダン (John Donne,1572-1631) イギリス
    Holy Sonnets 13 

曲: ブリテン (Edward Benjamin Britten,1913-1976) イギリス   歌詞言語: 英語


What if this present were the world's last night?
Marke in my heart,O Soule,where thou dost dwell,
The picture of Christ crucified,and tell
Whether that countenance can thee affright,

Teares in his eyes quench the amazing light,
Blood fills his frownes,which from his pierc'd head fell.
And can that tongue adjudge thee into hell,
Which pray'd forgivenesse for his foes fierce spight?

No,no; but as in my Idolatrie
I said to all my profane mistresses,
Beauty,of pity,foulenesse onely is
A sign of rigour: so I say to thee,

To wicked spirits are horrid shapes assign'd,
This beauteous forme assures a piteous minde.

もしも今この時が世界の最後の夜であっても それが何だというのか
私の心の中をしかと見よ ああ魂よ、お前の住むこの場所を
そこには十字架に架けられたキリストの姿がある。そして告げよ
その表情がお前を震え上がらせるのかどうかを

その目に浮かべられた涙は 恐ろしき光を穏やかにする
棘に刺された頭から流れ出る血は しかめた顔のしわを埋めている
あの舌がお前を地獄に落とすと宣告するはずがあろうか
その舌は彼の悪意ある敵のためにさえ 許しを祈ったではないか

いや、いや、あり得まい 私が偶像を崇拝していた頃
すべての俗世の恋人に対して 私はこう言ったものだ
美しさは憐れみにあり 厳しいだけなのは
醜さの印だと だからお前にこう言うことにしよう

悪しき魂には恐ろしい姿が与えられるが
この美しい容姿は、憐れみに満ちた心を保証しているのだと


自分の心に呼びかけるモノローグ、鼓動する心音がピアノの低音に響く中、懇々と諭すように歌は語りかけて行きます。若い頃放埓な生活をしていたと言われるダンらしく、心の中に映るキリストの姿を、かつて恋人たちに語った台詞を引き合いに出して、救いの描写にしようとしています。詩集では13番目の詩。

( 2013.02.16 藤井宏行 )


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