TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Trennun   Op.14-5  
  Acht Lieder und Romanzen
別れ  
     8つの歌とロマンス

詩: ドイツ語の民謡 (Volkslieder,-) 
      

曲: ブラームス (Johannes Brahms,1833-1897) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Wach auf,wach auf,du junger Gesell,
Du hast so lang geschlafen.
Da draußen singen die Vögel hell,
Der Fuhrmann lärmt auf der Gassen!

Wach auf,wach auf,mit heller Stimm'
Hub an der Wächter zu rufen,
Wo zwei Herzlieben beisammen sind,
Da müssen sie sein gar kluge.

Der Knabe war verschlafen gar,
Er schlief so lang,so süße,
Die Jungfrau aber weise war,
Weckt' ihn durch ihre Küsse!

Das Scheiden,Scheiden tuet not,
Wie Tod ist es so harte,
Der scheid't auch manches Mündlein rot
Und manche Buhlen zarte.

Der Knabe auf sein Rößlein sprang
Und trabte schnell von dannen,
Die Jungfrau sah ihm lange nach,
Groß Leid tat sie umfangen!

目覚めよ 目覚めよ 若者よ
お前はずっと眠ってたんだ
外では鳥たちが明るく歌い
馭者は騒いでいる 通りの上で

目覚めよ 目覚めよと明るい声で
見張り番が叫び始めた
ふたりの恋人が一緒にいるときには
注意深くなくちゃいけないよ

若者はすっかり寝坊した
眠っていたのだ とても長く とても心地よく
娘の方はだが賢かった
彼をくちづけで目覚めさせたのだ

別れ 別れはつらいこと
死のようにそれは冷酷で
そいつは引き離すのだ たくさんの赤い口同士を
たくさんの恋人たちを

若者は馬に飛び乗って
急いでそこから駆けていった
娘は彼をずっと見送っていた
大きな悲しみが彼女を包んだ


8曲からなるブラームスの歌曲集作品14、後半の4曲は1838年にツッカルマリオという人の編纂したドイツ民謡集から詩を取ってきています。ソースが似たようなところということもありますが、ブレンターノ&アルニムが1800年代のはじめに編纂した「少年の不思議な角笛」と非常に良く似た味わいの詩が目立ち、この詩もその「角笛」から採られてマーラーが曲をつけたScheiden und Meidenなどとも通じる内容です。歌詞が多少ちぐはぐなのは、歌い継がれていくうちに別々の歌の詩が混ざり合ったということもあるのでしょう。
前半の恋するふたりの朝の目覚めと、後半の辛い別れのシーンは全く別の歌からきたものではないかと思われます。

( 2012.11.03 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ