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晩秋    
  弓春の賦
 
    

詩: 与謝野晶子 (Yosano Akiko,1878-1942) 日本
      晩秋

曲: 鈴木輝昭 (Suzuki Teruaki,1958-) 日本   歌詞言語: 日本語


みちひとすぢ、並木路、
赤い入日いりひはすし、
点、点、点、点、しゆまだら……
桜のもみぢ、かきもみぢ、
点描派ポアンチユリストの絵が燃える。


みちひとすぢ、さんらんと
彩色硝子さいしきガラスてらされた
らうを踏むよなゑひごこち、
そしてしんからしみじみと

涙ぐましい気にもなる。

みちひとすぢ、ひとり
わたしのためにあの空も
心中立しんぢゆうだてに毒を飲み、
臨終いまはのきはにさし伸べる
赤い入日いりひの唇か。

みちひとすぢ、この先に
サツフオオの住むいへがあろ。
其処そこには雪が降つて居よ。
出てことして今一度
泣くサツフオオが目に見える。

みちひとすぢ、秋のみち
物の盛りの尽きるみち
おおうつくしや、急ぐまい、
点、点、点、点、しばらくは
わたしの髪もしゆまだら……



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   弓春の賦 

( 2012.10.28 滝光太郎 )


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