Erschaffen und Beleben Op.87-2 TrV 244,AV 106 Vier Gesänge |
創造し 生命を吹き込むこと 4つの歌 |
Hans Adam war ein Erdenkloß Den Gott zum Menschen machte, Doch bracht er aus der Mutter Schoß Noch vieles Ungeschlachte. Die Elohim zur Nas hinein Den besten Geist ihm bliesen, Nun schien er schon was mehr zu sein, Denn er fing an zu niesen. Doch mit Gebien und Glied und Kopf Blieb er ein halber Klumpen, Bis endlich Noah für den Tropf Das Wahre fand,den Humpen. Der Klumpe fühlt sogleich den Schwung, Sobald er sich benetzet, So wie der Teig durch Säuerung Sich in Bewegung setzet. So,Hafis,mag dein holder Sang, Dein heiliges Exempel Uns führen,bei der Gläser Klang, Zu unsres Schöpfers Tempel. |
ハンス・アダムは粘土のかたまりだったが それを神様が人間にして下さった だが 彼は母の胎内から引っ張り出してきた なおたくさんの無様な格好のものも 神は鼻を通して中へと 最高の精神を吹き込んだ さてこれでいくらか彼もましにはなったようだ なぜならいびきをかき始めたからだ だが 骨と手足と頭があっても 彼のまだ半分は土のかたまりのままだった 最後にノアがこの木偶の坊のために 肝心のものを見つけてやるまでは 大盃を それでこの土くれはすぐに震えを感じたのだ その身を酒で浸すや否や ちょうどパンの生地に酵母が入ると 自ら動き出すように だからハーフィズよ あなたの愛しい歌や あなたの聖なるお手本が われらを導いてくれる 杯の鳴る響きのもとで われらの創造の寺院へと |
第2曲はゲーテの西東詩集から(冒頭の詩人の巻にある詩です)。ヴォルフのゲーテ歌曲集にあるものが良く知られているでしょうか。なんとも言えずユーモラスな味わいがにじみ出ている詩ですので、ヴォルフのものもこのシュトラウスのものもおどけた感じが出ていて面白い曲です。神様のアダム創造の話を借りて芸術家の創造力の源泉を語っていますが、単に酒が飲みたいだけのようにも読めてしまうところがご愛敬でしょうか。
( 2012.09.22 藤井宏行 )