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Mariä Heimsuchung   Op.27-4  
  Marienleben
マリアの訪問  
     マリアの生涯

詩: リルケ (Rainer Maria Rilke,1875-1926) オーストリア
    Das Marien-Leben 4 Mariä Heimsuchung

曲: ヒンデミット (Paul Hindemith,1895-1963) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Noch erging sie's leicht im Anbeginne,
doch im Steigen manchmal ward sie schon
ihres wunderbares Leibes inne,-
und dann stand sie,atmend,auf den hohn

Judenbergen,Aber nicht das Land,
ihre Fülle war um sie gebreitet;
gehend fühlte sie: man überschreitet
nie die Größe,die sie jetzt empfand.

Und es drängte sie,die Hand zu legen
auf den andern Leib,der weiter war.
Und die Frauen schwankten sich entgegen
und berührten sich Gewand und Haar.

Jede,voll von ihrem Heiligtume,
schützte sich mit der Gevatterin.
Ach der Heiland in ihr war noch Blume,
doch den Täufer in dem Schooß der Muhme
riß die Freude schon zum Hüpfen hin.


まだ最初は彼女の足取りは軽やかだった
だが登って行くうちに何度となく
自分の体が不思議であるのに気づいた
そして彼女は立ったのだ、息をつきつつ頂上に

ユダヤの山々の、だが国土ではない
その豊かさが彼女のまわりに広がって
歩きながら彼女は感じていた 誰も超えられないと
この偉大さ、彼女が今感じているものを

そして彼女は駆られたのだ その手を置いてみたいという気持ちに
すでに身ごもっているもう一人の体に
そして女たちは互いによろめきあって
衣と髪に触れ合ったのだった

お互いに、聖なるものに満たされて
護りあったのだ 名づけ親に.
ああ彼女のうちにあった救い主はまだ花咲いてはいなかった
けれど、その伯母の胎内にあった洗礼者は
すでに喜びに満ちて飛び跳ねていた


マリアがイエスを身ごもったのとほぼ同じ頃、マリアの親族であるエリーザベトもまた懐妊していました。そのエリーザベトのところを訪れる情景を描き出したのがこの第4番目の詩です。聖書ルカ伝などにもあるこのお話ですが、リルケはかなり想像力で膨らませているようです。エリーザベトが懐妊したのは洗礼者ヨハネ、イエスが活躍する前に神の国の到来が近いことを告げる役割を果たした人です。
シュトラウスの楽劇にもなったオスカー・ワイルドの「サロメ」で殺されることでもおなじみでしょうか。
さわやかな初夏の雰囲気がこの詩からは伝わってくるような気がしますが、実際5月31日がこの「マリア訪問」の記念日としてキリスト教では祝われているのだそうです。

( 2012.06.01 藤井宏行 )


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