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Das Geheimnis   Op.173-2 D 793  
 
秘密  
    

詩: シラー (Friedrich von Schiller,1759-1805) ドイツ
      Das Geheimnis

曲: シューベルト (Franz Peter Schubert,1797-1828) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Sie konnte mir kein Wörtchen sagen,
Zu viele Lauscher waren wach;
Den Blick nur durft' ich schüchtern fragen,
Und wohl verstand ich was er sprach.
Leis' komm' ich her in deine Stille,
Du schön belaubtes Buchenzelt,
Verbirg in deiner grünen Hülle
Die Liebenden dem Aug' der Welt!

Von Ferne mit verworr'nem Sausen
Arbeitet der geschäft'ge Tag,
Und durch der Stimmen hohles Brausen
Erkenn' ich schwerer Hämmer Schlag.
So sauer ringt die kargen Lose
Der Mensch dem harten Himmel ab;
Doch leicht erworben,aus dem Schoße
Der Götter fällt das Glück herab.

Dass ja die Menschen nie es hören,
Wie treue Lieb' uns still beglückt!
Sie können nur die Freude stören,
Weil Freude nie sie selbst entzückt.
Die Welt wird nie das Glück erlauben,
Als Beute wird es nur gehascht,
Entwenden musst du's oder rauben,
Eh dich die Missgunst überrascht.

Leis auf den Zehen kommt's geschlichen,
Die Stille liebt es und die Nacht,
Mit schnellen Füßen ist's entwichen,
Wo des Verräters Auge wacht.
O schlinge dich,du sanfte Quelle,
Ein breiter Strom um uns herum,
Und drohend mit empörter Welle
Verteidige dies Heiligtum.

彼女は私に一言も言えなかった
大勢の聴き手が目を覚ましていたのだ
その視線だけに私は恥ずかしげに尋ねた
そして分かったのだ その目が何を言っているのかを
そっと私は彼女の静けさのもとにやってくる
お前たち美しい葉のブナの天幕よ
お前たちの緑の覆いの中にかくまってくれ
この恋人たちを世間の目から

遠くから錯綜した騒音とともに
忙しい昼間の仕事が続く
そしてそんな虚ろな声のとどろきと一緒に
私には重たいハンマーの音が聞こえる
そんなに狂おしく乏しい分け前を絞りだそうとしているのだ
人間はあの厳しい天界から
だが簡単に簡単に得られるのだ あの懐
幸福な神々の懐から落ちてくるものを

人々が決して聞いたりしませんように
どれほど誠実な愛が私たちをひそかに幸せにしているかを!
人々は喜びを邪魔することしかできないのだ
なぜなら喜びを彼らは決して味わったことがないから
世間は決して幸福を許さない
獲物として捕まえられるだけなのだ
お前は盗むか 奪い取るかせねばならぬ
妬みがお前を襲ってくる前に

静かにつま先立ちで幸福は忍んでくる
静けさや夜がそいつは好きなのだ
急ぎ足で去って行ってしまう
裏切り者の目があるところでは
おお囲んでくれ 穏やかな泉よ
広い流れとなって私たちのまわりを
そして怒りの波で脅かして
この聖なる場所を守っておくれ


日本人のような「ムラ社会」に生きている人には大変共感できる内容の詩ではないでしょうか。しかもそれをあの文豪シラーが書いているというのは非常に興味深いところ。シラーの詩を何度も歌曲にしているシューベルトはこの詩もD 250で1815年に一度歌曲にしています。

( 2012.05.19 藤井宏行 )


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