Stiller Vorwurf Op.77-4 Lieder und Gesänge III |
静かな非難 歌曲と歌 第3集 |
In einsamen Stunden drängt Wehmut sich auf, Da brechen die Wunden,die alten,mir auf. O lass sie nur bluten,sie schmerzen nicht sehr; Als du sie geschlagen,da schmerzten sie mehr! Ob du es bereuest,was du mir getan, Mit andern dich freuest,was geht es mich an? Was auch du beginnest,vorbei ist die Pein, Ich kann dir nicht zürnen,kann dir nur verzeihn. |
孤独なときには 悲しみがひとりでに湧いてくる すると傷口が開くのだ 私の古傷が おお血よ流れよ もうひどくは痛まないのだから お前に傷を付けられたときには あんなにひどく傷んだのに! お前が後悔していたといても 私にした仕打ちのことを 別の人とお前が幸せになっていても 私に何の関わりがあろうか? 何をお前が始めようと 過ぎたことだ この痛みは 私はもうお前に腹も立たない できるのはただ お前を許すことだけだ |
この曲の作曲は1840年という説と、この歌曲集の他の多くの曲と同じ1850年という説のふたつがあります。素人には見極めるすべはないのですが、1840年に手がけたものを1850年に仕上げたというのが実のところではないでしょうか。この歌曲集の中でも地味な曲であまり取り上げられることは多くないですが、なかなかに深みのある詩と音楽です。
( 2012.05.12 藤井宏行 )