Frühlingsnacht. Op.39-12 Liederkreis |
春の宵 リーダークライス |
Über'n Garten durch die Lüfte hört ich Wandervögel ziehn, das bedeutet Frühlingsdüfte,. unten fängt's schon an zu blüh'n. Jauchzen möcht' ich,möchte weinen, ist mir's doch,als könnt's nicht sein! Alte Wunder wieder scheinen mit dem Mondesglanz herein. Und der Mond,die Sterne sagen's,: und in Traume rauscht's der Hain und die Nachtigallen schlagen's: “Sie ist deine,sie ist dein!” |
庭の上 空を横切り 渡り鳥たちの行く声が聞こえる それは春の香りの前触れだ 地上ではもう花が咲き誇っている ヤッホーと叫びたくもあり、泣きたくもあり 私にとってそれは まるであり得ないことだ! 古い奇跡がまた輝く 明るい月の光のもとで そして月や星たちが語る 夢の中では林がささやく そしてナイチンゲールが歌いかける 「あの娘はお前のもの、あの娘はお前のものだ」と |
この抒情味にあふれた歌曲集もやはり、シューマンがクララと結婚した1840年、歌の年の作品なのですね。最後の曲は喜びあふれる春の恋歌です。喜びもほどほどな感じの音楽ですが、詩は幸せ一杯です。これほど幸せな愛の歌はシューマンの歌曲でもそれほど多くはないかも知れません。
( 2012.04.29 藤井宏行 )