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Er ist's   Op.79-23  
  Liederalbum für die Jugend
今は...  
     若者のための歌のアルバム

詩: メーリケ (Eduard Friedrich Mörike,1804-1875) ドイツ
    Gedichte  Er ist's

曲: シューマン,ロベルト (Robert Alexander Schumann,1810-1856) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Frühling läßt sein blaues Band
Wieder flattern durch die Lüfte;
Süße,wohlbekannte Düfte
Streifen ahnungsvoll das Land.
Veilchen träumen schon,
Wollen balde kommen.
- Horch,von fern ein leiser Harfenton!
Frühling,ja du bist's!
Dich hab ich vernommen!

春は再び、その青の髪飾りを
空になびかせる
甘く懐かしい香りが
大地にはただよう
スミレも素敵な夢を見ながら
もうすぐ咲きたいと願っている
お聞き、ハープの音だ!
春よ、君かい!
僕には君がわかるんだ!


この曲は、ヴォルフのメーリケ歌曲集の中にもありますが、あの名曲・名旋律だらけの曲集中にあっては今ひとつ影が薄いように思えて、同じ詩でも私はずっとシューマンが曲を付けたものの方に惹かれます。彼は溢れんばかりの数の春をテーマにした曲を残していますが、これはその中でも屈指の曲ではないでしょうか。
冒頭のピアノからシューマンらしさ全開のメロディですが、歌も負けずに情熱を語ります。シューマン歌曲に見え隠れするある種の臆面無さが、なんの衒いもなく出ているのは、これが「子供のための歌のアルバム」の中の一曲だからでしょうか?
(でも子供が歌うのはかなり難しそう...)
私の愛聴盤はルチア・ポップのソプラノ(Eurodisc)なのですが、むせ返るようなロマンチックさが大変良いです。

ところで、この曲、手持ちのヴォルフ歌曲集では「もう春だ」という邦題がついていましたが、これが定訳なのでしょうか?
Er ist's ですから「今は...」と訳した方がずっとお洒落かなという気がするのですが...

( 2000.03.27 藤井宏行 )


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