Nach Frankreich zogen zwei Grenadier Op.49-1 Romanzen und Balladen II |
ニ人の擲弾兵 ロマンスとバラード第2集 |
Nach Frankreich zogen zwei Grenadier, Die waren in Rußland gefangen. Und als sie kamen ins deutsche Quartier, Sie ließen die Köpfe hangen. Da hörten sie beide die traurigeMär: Daß Frankreich verloren gegangen, Besiegt und geschlagen das tapfereHeer Und der Kaiser,der Kaiser gefangen. Da weinten zusammen die Grenadier Wohl ob der kläglichen Kunde. Der eine sprach: »Wieweh wird mir, Wiebrennt meine alteWunde!« Der andre sprach: »Das Lied ist aus, Auch ichmöchtmit dir sterben, Doch hab ich Weib und Kind zu Haus, Die ohne mich verderben.« Was schert michWeib,was schert mich Kind, Ichtrage weit besser Verlangen; Laß sie bettelngehn,wenn sie hungrig sind - Mein Kaiser,mein Kaiser gefangen! Gewähr mir,Bruder,eine Bitt: Wenn ich jetzt sterben werde, Sonimm meine Leiche nach Frankreich mit, Begrab michin Frankreichs Erde. Das Ehrenkreuz amrotenBand Sollst du aufs Herzmirlegen; Die Flinte gib mirin die Hand, Undgürt mirumden Degen. So will ich liegen und horchen still, Wieeine Schildwach,im Grabe, Bis einst ich höreKanonengebrüll Und wiehernderRosse Getrabe. Dann reitet meinKaiser wohl über meinGrab, Viel Schwerter klirren und blitzen; Dann steig ich gewaffnethervor aus dem Grab - Den Kaiser,den Kaiser zu schützen!« |
フランス目指して帰る2人の擲弾兵 彼らはロシアに捕まっていたのだ ドイツの宿に辿り着いた時 彼らはがっくりとうなだれた そこで彼らは悲しい噂を聴いたのだ フランスが打ち敗られ 勇敢な軍隊は壊滅し そしてわが皇帝が、皇帝が捕らえられたと 2人は一緒に泣いた この悲しい知らせに ひとりがつぶやいた「ああ悲しい。 俺の古傷が焼け付くようだ」と もうひとりが言った「すべて終わりだ。 俺はお前と死んじまいたいぜ ただ故郷には妻と子がいる 俺がいないとどうしようもない」 「女房がなんだ。ガキがなんだ。 俺はもっと高い望みをもってるぜ やつらが飢えたなら、乞食をさせりゃいい わが皇帝が、皇帝が捕らえられたんだぞ! おい、兄弟。俺の願いを聞いてくれ 俺が今死んだら、 屍はフランスまで運び 故国の土に埋めてくれ 赤い帯のついた勲章を 胸の上に飾り 手には銃を握らせ 剣を腰に着けてくれ そしたら俺はじっと横たわり静かに聞き耳を立てよう 番兵がするように墓のなかで またいつか大砲の響きが轟き 馬の蹄が聞こえてくるまで その時、皇帝は我が墓の上を馬で駆け 無数の剣が火花を散らすのだ その時、俺は武器と共に墓から立ち上がる 皇帝を、皇帝を守るために!」 |
繊細で美しいメロディーをたくさん書いたシューマンらしからぬ浅薄な曲だという批判もあるようですが、私は結構よくできたドラマティックな曲だと思います。
ロシアで大敗北を喫したナポレオンの軍の敗残兵の家族や故国に対する想いが切々と歌われている結構長い歌です。(擲弾兵というのはあまりなじみのない言葉ですが、手榴弾とかを放り投げる役目の兵士のようです)
特に最後の「俺は墓の中で」の所から高らかに歌われるフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」が実に味があって良いのですが(ほんとにメロディーをそのまま借用しているとは...)、そこに至る直前に、単調ともいえる旋律でグッと抑えているので、「皇帝を守るために」の締めが実に感動的なのですね。
そんなにたくさんの歌手で聴いているわけではないのですが、ハンス・ホッターがEMIに、ドイツ歌曲集として入れているものが淡々とした中にドラマを秘めてなかなか良い聴き物でした。
( 1999.10.04 藤井宏行 )