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Lied Der Anne Lyle   Op.85-1 D 830  
 
アンネ・リルの歌  
    

詩: マイ (Sophie May,-) ドイツ?
       原詩:マクドナルド Andrew MacDonald,Love and Loyalty

曲: シューベルト (Franz Peter Schubert,1797-1828) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Wärst du bei mir im Lebenstal,
Gern wollt' ich alles mit dir teilen;
Mit dir zu flieh'n wär' leichte Wahl,
Bei mildern Wind,bei Sturmes Heulen.

Doch trennt uns harte Schicksalsmacht
Uns ist nicht gleiches Loos geschrieben
Mein Glück ist,wenn dir Freude lacht
Ich wein' und bete für den Lieben.

Es wird mein töricht' Herz vergeh'n
Wenn's alle Hoffnung sieht verschwinden
Doch soll's nie seinen Gram gesteh'n,
Nie mürrisch klagend ihn verkünden.

Und drückt des Lebens Last das Herz,
Soll nie den matten Blick sie trüben,
So lange mein geheimer Schmerz
Ein Kummer wäre für den Lieben.

もしもあなたが人生の谷で 私のそばにいてくれたなら
喜んで私はすべてをあなたと共に致しましょうに
あなたと一緒に逃げることも簡単な選択です
穏やかな風のもとでも 咆える嵐の中でも

けれどひどい運命の力が私たちを隔て
私たちは同じ運命のもとにはないのです
私の幸福とは あなたに喜びがほほ笑みかけて
私が恋人のために泣き 祈ることなのです

私の愚かな心が滅びるのは
すべての希望が消え去るのを見るとき
けれど決してその苦しみを告げることはしたくありません
決してつらい嘆きを明かすことは

人生の重荷がこの心を押しつぶそうと
決してこの弱々しい眼差しを曇らせることはありません
私のこの密やかな苦しみを
自分の苦しみと 愛するお方も思って下さる限り


ウオルター・スコットの小説「モントローズの伝説」中の歌で、長くスコットの作と思われていましたが、のちに引用であり原詩はこのマクドナルドのものだと分かったようです。シューベルトも従って原詩はスコットのものと思って曲をつけています。小説は1640年代のイギリスの市民革命が舞台。男二人との三角関係の中心にいるのがこのアンネ・リル(原文ではアノット・ライル Annot Lyle)です。

( 2012.03.17 藤井宏行 )


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